自営自足とは

自営自足とは、自営と自足をかけ合わせたものです。 自力で稼ぐ力を持ちつつ(自営)、一方で、貨幣にばかり依存しないで生活(自給農をベースにした自足)する流儀を指しています。自給自足をもじっているわけですが、自給自足だと閉じられている感じもしますし、貨幣経済の中にいる以上、自給自足だけでは難しい。何かしら稼ぐ必要がどうしてもでてきます。

【自営】~自力で稼ぐ力を持つ~

日本社会全体に余裕がなくなってきて、会社もそれほど頼りになる存在ではなくなってきています。とすると、そこに頼らないで、自分で稼ぐ力を持っておく必要があると思う人はおおいのではないでしょうか。

しかも人生100年時代、仮に幸運にも一つの企業で定年まで勤めあげ、これまでのイメージのように、そこからゆっくり下り坂で死亡するまで過ごすには、長すぎることになります。そうでなくても、社会の流動化はますます激しくなっていますので、人生のうちで何回も転機の必要が出てくる可能性が高いです。そうなると、仕事を受け身でやらされている意識の人はますます厳しい状況に陥ることも予想されます。自発的に、自営する意識、自営する力はますます重要になってきます。

【自足】~必要なものを、貨幣になるべく依存しないで間に合わせる~


自足は、大辞泉で調べると、「必要なものを自分で間に合わせること」とあります。この「自分で」というところを、「貨幣になるべく依存しない」と理解します。

可処分所得もどんどん下がるばかりか、地震など非常事態になれば、効率化された物流がすぐにストップ、お金があっても買えない状況も生まれます。お金で何でも買って済ませるような生活スタイルは危ういと認識されつつあります。大量生産の大量流通品は安くて良いですが健康にはよくなさそうです。過度にお金に依存しないで、実りある生活をしたいところです。

都会で仕事中心の生活をして、お金を稼いでも高い家賃と外食代、お金がなければ生活もままならない状況にいるよりも、所得は低くなっても田舎で地に足を付けた生活をしたいと思っている人も多いのではないでしょうか。

田舎で自営自足

自営自足はどのような年代、どのような状況、どのような場所にいても、追い求めることは可能だと思います。とくに、田舎では、自営の部分をクリアできれば、実現可能性は飛躍的に高まります。田舎で自営で稼げれば鬼に金棒です。お金もあまりかからないので稼ぎもそれほど多くなくても大丈夫。自営として農業ぐらいしか選択肢がないというわけでもありません。「仕事を移す」「仕事を創る」「仕事を引き継ぐ」という視点で見れば展望も開けるのではないでしょうか。しかも自営には定年もありません。

田舎暮らしにおいて自営自足で生活することができれば、何かに依存しすぎる危うさがなくなり、地に足のついた生活ができて、全体的に豊かさがアップするのではないでしょうか。もちろん、向き、不向きはあるのですべての人にお勧めできるわけではありませんけど。高齢になっても自営などで活躍の場や役割があったり、自足に医食農同源を加味させられれば、健康長寿への道が開けるかもしれません。

自営は攻めで、自足は守りです。貨幣経済の中にいるので、いくら自足で守りを堅めようがお金は必要です。でも守りが堅ければ、安心して攻められます。稼ぐことしかやらない、といった一面的な生活流儀ともおさらばです。田舎は自営自足には最適です。

群馬県南牧村は高齢化率日本一です。日本一の限界集落、消滅自治体と呼ばれています。この田舎の中の田舎において、未来が見える田舎暮らしとはどういうものがありえるのか? そのキーワードを「自営自足」ととらえています。

2018年9月15日 有賀知道