田舎では畑がいくらでもあるのだから、プランターなんかでチマチマやってないで畑で野菜をつくれば? という声が聞こえてきそうです。これまで何も土いじりをしたことがない人が、いきなり畑で野菜をつくりだすのはハードルが高いかもしれません。まずは、土と親しむことが大切です。
まずは、プランター栽培から始めてみよう
野菜を買う一方の立場から、作るほうの立場にかわるのは劇的な変化です。そもそも、野菜がどのようにしてできてくるのか、考えたことがない人がいきなり畑で野菜作りはハードルが高そうです。一度、身をもって体験し、自分の育てたものを食べてみる経験からスタートすれば畑仕事は案外スムーズにいくかもしれません。
プランター栽培にしろ、野菜が育つサイクルに変わりありませんし、野菜が育つ基本構造に変わりはありません。まずは、簡単なところから手を付け、成功体験を経て、徐々に難しいところにチャレンジしていくのがよさそうです。
田舎に移住してからプランター栽培に取り組むというよりは、むしろ、移住前から取り組んでもいいわけです(実際、そういう人も多いでしょう)。わざわざ市民農園を借りなくても、太陽が当たる場所さえあれば、プランター栽培はどこでもできるのですから。
何から始めるか
人気のものから始めるのは一つの方法です。人気があるということは栽培している人も多いということで、何か問題や困ったことが起こったとしても、人に聞いたり、調べたりすればだいたい解決できます。プランター栽培の花形、果菜類の中でも最も人気のミニトマトは代表的なものでしょう。
問題や困り事が起こらなくても、人気のものはネットで少し調べただけでも説明が多くあるので基本的な知識を得るためにもいいです。それを中心に、複数のプランターで違う種類を同時並行で栽培するのも、それぞれに特徴があることが理解できて勉強になります。
プランター栽培の花形、果菜類の中でも最も人気のミニトマト 。初心者でも栽培しやすい。
栽培は、種から育てていくこともできますが、最初は、苗からが無難です。種から育てる喜びは格別なものがあります(双子葉植物ということが、この眼で確認できます!)が、手間のかかるものもあり、なにより、少量なので、種袋で買ってきても種を全部使いきれません。
プランターならではの良さがある
プランター栽培の良さは、簡単に始められて、目が行き届く範囲に置けるので、管理も楽です。わざわざ着替えて時間をかけて畑に行く必要もありません。虫がついてもすぐに発見できます。そうです、仕事をしながらでも片手間で育てられます。
そして、プランターならではの楽しみがあります。それは、食べる直前に手軽に収穫できるということです。こうしたことも取り入れれば、より積極的にプランター栽培に取り組めます。
たとえば、枝豆は生でも鮮度が落ちやすいく、収穫してすぐ茹でるに越したことはありません。とにかく、早ければ早いほどいい。最高にうまく食べるようとしたら実践したいところ。スーパーで買ってきたものには触れませんが、畑であってもちょっと遠いところにあれば、収穫してすぐにというわけにはいきません。でも、プランターならどうでしょう、これに関してはプランターに勝るものはありません。
2階の窓の外の花台で枝豆を育てる。靴に履き替えて外に出なくても収穫できる。
こういうものこそプランター向きです。夏のビールのつまみに、最高の状態の枝豆を食べる、といったら栽培のモチベーションもさらにあがるのではないでしょうか。
まずは始めてみる
ともあれ、作ってみたい、食べたいといった作物から始めるのが一番です。人気のミニトマトでもよし、ビールのつまみの枝豆でもよし、野菜でなくても、入浴剤に使いたいハーブからでもよしです。逆に、何かを栽培したいと思いたった、その時こそ、ホームセンターをブラリして、売っている苗から選んでやってみるのでもいいかもしれません。
たとえば、春からミニトマトを栽培したとします。夏に収穫できます。ただ、それで終わりではありません。栽培が終わった後の土は、適切に改良すれば何度でも再利用できます。秋からは大根を植えて冬に収穫するといったこともできます。
栽培が終わった後の土は、根っこなどを取り除いて、堆肥などを混ぜて新しい土づくりをする。
ということになれば、一年を通して、栽培するための一通りの流れを知ることができるということです。これで、畑作業に出る下準備ができました!