田舎で自給自足をする、好きにやればいいさというだけの話ですが、多少とも関連させた事業を会社としてビジネスでしようとするなら、この会社はどういう道筋でどのあたりに行こうとしているのか明快にしとくにこしたことはありません。
関与者が増えてくればなおさらその必要性がでてくるでしょうし、そうでなくても、田舎暮らしを快適にさせるうえで一番大事で、援軍になってほしい嫁さんなんかにわかっといてもらうのはこの上なく大事なことです。
ただ、どういう道筋でどこに行こうとしているのか整理するのも一筋縄ではいきません。思い付きで、行こうとしているところ、道筋が、毎度違うようにしゃべっていたのでは、そのうちだいたい誰からもまともに話を聞いてもらえなくなります。
もっとも、小さい会社のいいところは情況を見ながら道筋も行き先もどんどん変えられるという強みがあるわけですが、それでも根本に一貫性があっての話で、ある程度まとまってからしゃべりださないとやはり後悔する羽目になりましょう。
まとまってきていると感じるのは、やはり単純明快になってきているなー と感じる時です。
これまでも、それなりにもっともらしそうな打ち出し方をしていましたが、自分ではいま一つだなーという感じでした。それが最近、なんとなく単純明快になってきたかもと感じています。
ということで、これから畑に出る時間も少なくなってくるので、会社のサイトや、ようき農園のサイトの内容を調整する作業にとりかかることにします。
ここではまず、取り急ぎさわり部分だけ描いてみましょう。
そもそも論として、ビジネスの定石は社会の問題を解決することです。なので、出発点は何を問題ととらえるのかということになります。
私の問題意識は下記の2つです。
- 食料の不安定な供給体制に家庭が右往左往せざるを得ない状況が問題
- 南牧村が消滅するかもしれないという問題
たとえば1に対する、家庭や個人でもできそうな解決策としては、信頼できる誰かに継続的に供給してもらう。とか、自ら作物を栽培する。ということになりましょう。
この2つの問題を合わせて多少なりとも解決策を実行していこうというものです。そのための道筋が下記。
- 穀物、野菜、果樹、山菜、養鶏など多品目化と加工品の基礎づくり。主に村の道の駅で販売。
- ようき農園は自給農園と位置付けたうえ、自給農ビジネス色を出していく。1での販売は「自給農園のおすそわけ」ということになる。おすそわけは販売の形態にとどまらず自給農家民泊のようなものも考えられる。と同時に、自給自足や田舎暮らしに関心がある人への支援もしていく。体験自給農園、苗販売、自給農園ワークショップなど。どちらかというと最初はシニア向けになりそうか。
- 自営自足色を強く打ち出していく。自給農ビジネスを軌道に乗せたのち、村の資源を活かしたビジネス(農分野以外)にも取り組み始める。自らの自営自足の推進というところ。と同時に、自営自足志向の人の支援にも入っていく。この場合の自給自足は(ほかで稼ぐのに時間もとられるので)いかに時間をかけないで作物を育てるかという効率化も求めれそう。そして自営のやり方、つくり方も支援しよう。どちらかというと若い人向けになりそうか。
- 村内で自営自足をする人を増やしていって南牧村の特色の一つを自営自足と打ち出そう。移住してもらいたい人の一つのタイプが、自営自足を志向する人。実際そう簡単なことではないのでお試しには、例えば、ふるさと納税(そういう制度が残っていればの話だが)を利用してその返礼は、自給農園のおすそわけ、苗、体験自給農園、貸自給農園、クラインガルデンなんかで自給自足に関しては敷居を下げてもらおう。合わせて自営についても支援しよう。
本来、自給農はビジネスとは何の関係もないですが、平地が少なく南牧村のような農業で生計を立てるのが至難のところでも、やりようによっては農業で自営ができる事例としたいところです。その難しい自営ができるわけなので、近くで働いて給料をもらいながら、テレワークしながら、手に職を持っての自営をしながら、もうちょいと楽に自給自足とセットにできるのではないか。南牧村のようなところで自営ができればそれこそ虎に翼です。