みなし解散された会社を継続させる

公開日:2021年12月12日 更新日:

みなし解散された会社を継続させるという経験をした人はほとんどいないでしょう。登記を放置するとどうなるのか? ほとんどは清算に向かうことになるでしょうが、みなし解散されても3年以内なら会社を継続させることができます。

みなし解散された会社を継続させる
登記を放置しておくと管轄の法務局から通知書がきます

登記を放置してみなし解散される

今から15年ほど前に一人株式会社を作りました。会社を作りやすくという政策のもと、資本金1円でも可とか、社長の任期を10年に設定できたり、取締役会も必要なかったり、何かと使えると思ったのでそうしました。当初は事業もあったので、良かったのですが徐々にそこでやることもなくなってきて、10年後ぐらいにはあってもなくてもいいぐらいの状況です。何をしなくても年間7万円の税金はかかりますが、それぐらいは支払えたので、ほとんど放置状態でした。

そうしたら、12年目に法務局から通知書が届きます。事業をやってますか? みたいな内容です。正確には、最後の登記後12年を経過している株式会社は、まだ事業を廃止してないときは届出書を出してくれというものです。届出書を出さないと「みなし解散」の登記がされるということです。そうなると、「みなし」とついていますが解散と同じで事業体としては認めないということです。

12年目というのは、株式会社では代表が最長10年変更されなくてもいいので、登記が10年ないという状況もあり得るからです。他の法人の場合は代表は最長2年なので、最後の登記後5年経過していると通知書がきます。

ともあれ、継続させてもやることも考えてないので、様子見ということで放置です。そして、みなし解散されました。市町村と県税事務所にみなし解散の届出書を出せば、そこからは税金はかからなくなります。ただ、みなし解散されても税務署には毎年決算報告を出す必要はあります。

みなし解散されても3年以内なら会社継続できる

様子見というのには訳があります。みなし解散後3年以内に限り、株主総会の特別決議により会社を継続させることができるからです。

3年の間にやることができれば継続させ、やることができなければ清算すればいいという判断です。

その3年の期限が12月12日でした。

会社を継続させてもいいぐらいに事業内容が明快になってきたので、会社継続のほうに舵をきることにしました。

一人株式会社なので株主の合意などは必要ないので、継続させるのに一番の難関は登記です。登記は、NPOの登記で慣れていたけれども、初めての種類の登記なので11月ぐらいから少し調べだして、12月2日に登記完了しました。

私がやっている方法は、QRコード(二次元バーコード)付き書面申請書というものです。オンラインで申請してすべてが完了するというところまではいきませんが、「申請用総合ソフト」という専用のソフト(無料)を利用して作成した申請書の情報を、インターネット経由で事前に登記所に送信した後、その内容を登記申請書として印刷して、登記所に提出する書面申請の方法です。

ソフトでは、これまで作成した申請書も使いまわせるので便利です。申請書の記載例も充実していて至れり尽くせりです。

添付書類は、株主総会議事録などです。ということで申請書の提出に先立ちまずは、一人株主総会です。一人でも総会をしないといけません。自分で議案を出して自分で承認して自分で署名する、みたいな感じです。

そしてだいたい形が整ったところで、登記手続き案内を利用しました。管轄の法務局で予約して、電話で30分の相談ができます。登記手続き案内は昔の登記相談の簡略型みたいな位置づけのようです。いまはネット上でどういうように申請するのか情報も豊富なので、ある程度自分で申請できる人が相談するようなところみたいです。当日は予約時間に法務局のほうから電話がかかってきます。自分の理解とやり方で間違いがないか確認してもらって3分で終了でした。

こうして、いざ申請です。登録免許税4万9000円(会社継続3万円、役員変更1万円、清算人就任9000円)分の収入印紙を郵便局で購入して台紙に貼って、申請書や添付書類とともに郵送です。12月1日にオンラインで申請書を送付するとともに郵送しました。

ソフトには申請の進捗状況もメールで通知がきます。12月2日に受付けされてその日のうちに手続きが終了した通知がきました。何の問題もなくスムーズに終了です。

20年ほど前のNPO設立当初、登記相談に始まり、申請、受け付け後、漢字の間違いを直しに行ったりと、何回法務局に足を運んだことか、その頃が懐かしく思い出されます。

ただ、手続き終了前に法務局から電話がかかってきて、今回の登記とは関係ないが、電子公告のアドレスを登記する必要があるので後日手続きをしてください、と。はい、わかりました。

あとは、税務署と、市町村と県税事務所に会社継続の届出書を出して手続きは終了です。印鑑カードの交付申請もし忘れずやっておきました。

-

執筆者:有賀知道

自給自足研究会の支援事業 手仕事品の通信販売:なんもく健康長寿組合