今借りている畑の隣接部分も借りられることになりました。でもそこには木が7本ほどはえています。来春から畑にするには、まずこれを取り除いておかねばです。初のチェーンソー体験です。
開墾をする
昨年の今頃は、畑の準備をするために周りのススキを刈って畑にドンドン投入しハッスルしすぎで通風になりかけたりしてました。今年は体を動かすことにもだいぶ慣れてきているところです。
今借りている畑の隣接部分も借りられることになったので、そこで来年から作物を栽培すべく、そこを開墾もどきしている最中です。昔は畑だったところなので開墾と言ってもススキの根を掘り起こすみたいなことなのですが、はっきり言って開墾面白いです。
これまでと一番違うのは、木がはえているのでそれを取り除かないといけないということです。7本ほどはえています。
木の伐採には、チェーンソーを使うことになりますが、専門の人に頼んでやってもらうだけでは面白くないので、自分で実際に伐採すべくレクチャーしてもらうことにしました。教えてくれたのは、同じ南牧村に住んでいて森林組合で働いていた同年代のSさんです。
チェーンソーを使う
何せ初のチェーンソーなので基本的なところから教えてもらいました。
服装
- チェーンオイルが飛ぶので汚れてもいい格好をする
- ヘルメットをかぶる
- ゴーグルなど顔を覆う
- 耳栓をする
チェーンソーの準備とメンテナンス
- エアーフィルターのごみを除去する
- 毎回でなくていいが、燃料タンクの中に入っているストレーナーと言われるフィルターが汚れていないかチェック
- チェーンカバーを外し、スプロケットと言われるところにゴミがたまっていたらとる。
- チェーンソーのはめ込み部の溝(ガイドバーの溝)を、細い器具で掃除する。
- チェーンソーが緩んでないかチェック。引っ張って少し緩む程度に調整。調整する時は、ガイドバーを立てて調整する。
燃料タンクの中にあるストレーナーの汚れを確認。
チェーンカバーを外し、スプロケットの掃除。結構汚れます。
ガイドバーの溝も掃除。ここからオイルが出てくる。
チェーンが緩んでいたら調整。調整ツマミがあるのでそこを操作。
チェーンソーを始動する
- チョークとスタートボタンで始動。ここは刈払い機と同じ。
- 暖機運転中でもチェーンが緩いと動くことがある。その時は要注意。体に触れると痛い目にあう。チェーンが動かないように調整する。
- エンジンをつけたまま、むやみに移動しない。
- チェーンに土が付けないようにする。置くときに注意と、地面に横たわる木を切るときは、台にのせて浮かして切るとかする。
木を伐り倒す
- 重心をみる。倒す方向を見る。
- 逃げ場所を確保。つまずかないようにきれいにしておく。
- その部分を切ったら、枝がどう動くかイメージする。
- 側枝を最初にきってシンプルにする方法も考える。
- 倒す方向に、三角の切れ込みを直径四分の一ぐらいのところまで入れる(受け口)。受け口の反対方向から切り込みを入れていく(追い口)。受け口の奥の切り口部分よりやや上の位置ぐらいから水平に切る。より高い位置から切り出すと早く木が倒れ、下の位置からだとゆっくり倒れることになる。
- 追い口は少し切り残す(ツル)。ツルをなくすまで切ってしまうと、どちらに倒れるかわからなくなり非常に危険。
- 太い側枝を先に切るときは、上部から一気に切ると割れて切りづらくなる。最初に下部を少し切って、その後上部から切り進めて切断する。
- 顔より上の位置では使用しない。ソーの先があたりやすくなりキックバックをおこすので、なるべくしない。
側枝をまず切った。下部を少し切って、その後上部から切り進めてうまく切断できた。
受け口と追い口をつくり倒す準備をする。反対方向に倒れないように念のため木の上の部分からロープで引っ張ってもらっている。
追い口を慎重に入れツルの幅を見ながら、手で追して倒れるかやってみる。
木の後始末をする
- 玉切りや太い側枝などを切るときに、切っていくと上下どの方向にたわむかを考える。下にたわむのを上から深く切ると歯が締め付けられ抜けなくなる。締め付けられるほうから最初に少し切って、その後反対方向から切り進めて切断する。
片付けやすいように、幹は玉切りにして、枝葉細かく切断した。
運べるように細かく切るのは少しやっただけで、わが体力が消耗。残りの大部分は、Sさんにやってもらい運び屋専念。専門家はスピードが違います。自分一人で枝払いや玉切りすれば、日が暮れていたかもしれません。午前中に作業を終えて安堵です。
さて、「受け口」という言葉や、追い口、ツル、玉切り、チェーンソーのスプロケットとかガイドバーなんてという言葉は、レクチャーを受けたときに覚えたのではなく、実際の作業が終わった後に、『山で暮らす愉しみと基本の技術』(農文協)という本で確認したからです。
実際の作業をした後に、本で確認すると頭への入り方も断然違います。おそらく本を読んでからだったら危なそうなイメージだけが頭に残っていてもっとビクビクと作業をしていたことになっていたかもしれません。
7本あるうち、1本目で見本を見せてもらい、6本を伐採させてもらいました。今回は、木もそれほど大きくなく(おそらくアンズの木)、周りをほとんど気にする必要もないし、傾斜もないので、初心者にうってつけの状況ということはありました。
初めてのチェーンソーと伐採なので緊張感もそうとうなものでしたが、今後もう少し難しい状況の場合には、またレクチャーをお願いしたほうが良さそうです。
早く枯らしたいなら、伐採は春夏のほうがよさそう
玉切りの木を運んでみて、当たり前のことですが重い。ちょっとした枝でも重い。それが頭から落ちてきたらと思うと今さらながらゾッとします。今の季節、水分が少ないのにも関わらずこの重さです。
伐採後、農業委員の人と話していたら、「木を材や薪として使いたい場合は、伐採する時期は水分の少ない今の時期がいいが、早く腐らせたいなら水分の多い春夏のほうがいいんだ」と教えてもらいました。重機を使って切り株を根ごと除去しないとすれば、枯らせて土に戻してくことになります。早く土に戻るように、そして伐採した幹や枝を早く分解させて肥料にするような場合は、春夏に伐採したほうが良さそうです。冬場に伐採すると切り株からまた新しい芽も出てくるでしょう。
木を材や薪として使う場合は、水分の少ない時期に伐採してさらに乾燥させて使うことになります。乾燥のさせ方もいろいろで、芯材の水分が抜けにくいスギなど伐採後あえて枝払いせず、緑の葉を残したまま半年ほど放置しておくと葉がゆっくり枯れながら芯の水分を抜いて乾燥させてくれる、ということも農業委員の人に教わりました。
ヒノキでは、伐採前に皮をむいて枯らすようにする「巻き枯らし」という方法があることは本で知りました。
ともあれ、今回は、畑にするということにばかり目がいっていたので、伐採した後の木をどう使うかまでは考えが進んでいなかったのですが、今後は、利用法をイメージして処理したいと思っています。