田舎でもミニトマトをプランターで育てる。

公開日:2019年7月5日 更新日:

プランター栽培の花形、果菜類の中でも最も人気のミニトマトを栽培してみます。4月中旬にホームセンターの家庭菜園のコーナーで苗を購入し、プランターに植えました。7月には収穫です。

田舎でもプランター家庭菜園でミニトマト栽培をする。
田舎でもプランター家庭菜園でミニトマト栽培をする。

プランターのミニトマト栽培で用意したもの

これまで、家庭菜園で栽培した経験がある人にはあらためて説明の必要もないでしょう。初めての人を対象にポイントを書き出してみます。ホームセンターで簡単に買いそろえられるものだけで栽培しています。

トマトのプランター栽培で用意したもの。田舎での家庭菜園。
トマトのプランター栽培で用意したもの。
双葉がついていて、節の間隔がつまったガッチリした苗、と言ってもわからないので、元気そうなものを直感で選ぶ。品種もいろいろあるので好きそうなものを。100円~300円ほど。
プランター株が大きく育つので、深型がいい。今回は、ポット10号を使用。容量13ℓ。500円ほど。
鉢底石 プランターの底に敷く石。排水性や通気性をよくする働きがあり、根腐れの予防に効果がある 。2ℓで200円~300円。排水用スノコ付きのプランターでは不要。
培養土ホームセンターで売っているものは肥料入り(元肥)のものが多い。そのまま使える。300円~500円ほど。有機栽培にこだわる場合は、配合されているものが有機質肥料か確認。
支柱トマトは背丈が高くなるので、3本の180cmほどの支柱で樹を支える。株が小さい時に立てる仮支柱は50センチほどのものでいい。支柱1本50円ほど。
肥料追肥に使う。今回はIB肥料と言われるものを使用。80gあれば大丈夫、150円ほど。 有機栽培にこだわる場合は、有機質肥料を使ってもいい。

プランターのミニトマト栽培のポイント

太陽を好むので、光が良く当たる場所で栽培します。日々気を付けるところは、水やりと、天気対策、脇芽かき、この3点です。

プランターは畑に比べて土の量が少なく乾燥しやすいので、水やりは毎朝行います。毎日やれないような状況の時は、誰かに頼むとか、ペットボトルで潅水器を作って使うなど対策が必要です。

天気対策では、雨に当たらないようにすること、そして風が強い時に株が痛まないようにしてやることです。室内に移動させるなどの対策です。多少の風なら大丈夫なように、支柱に茎を括り付けておくことも大事です。

脇芽とは、葉の付け根から出てくる芽のことですが、伸びると側枝になり、花と実を付けます。すべての脇芽をとっていけば、すっきりした1本仕立てになります。これをしないと、側枝が至る所から出てきてジャングル状態になってしまいます。

場合によっては害虫対策も加わってきます。プランター栽培は、目が行き届きやすいので、日々観察していれば、害虫もすぐ発見できます。その都度駆除すればいいですが、手に負えないようであれば、有機栽培にも使用が認められている農薬もありますので、利用してみてもいいでしょう。

プランターでミニトマトを育ててみる

鉢底石を敷く

鉢底石を入れる。プランターでトマト栽培。

鉢底石を敷く。排水性や通気性をよくする働きがあり、根腐れの予防に効果がある。発泡スチロールを2cm角に切ったものや、適当な軽石でもいい。

培養土をプランターに入れる

培養土をプランターに入れる。

プランター菜園の土の条件とすれば、水はけ、通気性、保水力が求められる。市販の培養土は、これらが考慮されていて、肥料分も入っているので、そのまま使える。

苗を植える

苗を植える。プランターでトマト栽培。

穴を掘って、そこに苗を植える。その後、水をたっぷりとやって、苗を土になじませる。

仮支柱を立て、茎をひもでくくる

支柱を立てて、誘引する。プランターでトマト栽培。

苗を植えた後は、風が吹いても倒れないように、仮支柱で支える。支柱と茎に紐を8の字にして括り付ける。茎は太くなっていくので、ゆるめに縛る。

本支柱を立てる

本支柱を立てる。タワー式+螺旋ひも。ひもを巻くところ。プランターでトマト栽培。

株が成長してきたら、本支柱を立てる。強風にさらされても大丈夫なように頑丈に支柱を組む。トマトは、丈が高くなるので、180cmの支柱を3本用意。

本支柱を立てる。タワー式+螺旋ひも。プランターでトマト栽培。

支柱同士を紐で螺旋状に結びあげていく。頑丈になるだけでなく、株を支える力も増す。(『プランター菜園のすべて』の中の「支柱を立てる・タワー式+螺旋ひも」参考)。これ以外にも、状況に合わせて、支柱の立て方はいろいろ考えられる。

脇芽をかきとる

葉の付け根から出てくるのが脇芽です。このままにしておくと、どんどん大きくなり、花と実を付けるまでになります。そうなると、土からの養分が分散されてしまいます。土の量が限られているプランター栽培では脇芽かきをするようにします。

ただ、栽培の後半に脇芽を育てて収穫を持続させていくということはありです。そして、プランターでも、土の量が 50リットルも入るような大きなプランターでは、脇芽をあまり摘まず、ジャングル状態にして多収穫を狙うのもありでしょう。

今回利用したような13ℓのプランターでのミニトマト栽培では、品種によりますが、40~80個ぐらい収穫できればよしです。

余談ですが、トマトをハイポニカ栽培(水気耕栽培)という方法で約一年間栽培し、一株から1万7402個の実が収穫されたという記録があります。畑でも、1355個の実が収穫されたという記録があります。潜在能力はおそるべしです。

脇芽をかきとる。プランターでトマト栽培。田舎での家庭菜園。

葉の付け根から出てくるのが脇芽。小さいうちに摘みたい。晴れの日に摘むと、傷口から病気が入りにくい。

追肥(緩効性肥料)

追肥をする。根から離れたところに。プランターでトマト栽培。田舎での家庭菜園。

株元に行うと、そこの部分の肥料濃度が増してよくない(肥やけ)するので離れたところに。今回使用したIB肥料は、緩効性肥料といって、成分が少しづつ溶けて長く効くので、一か月に一回ぐらいの追肥でよい。

花が咲き、実がなってくる

トマトの花が咲き、実がつき始める。プランターでトマト栽培。田舎での家庭菜園。

花が咲き、そのあと、そこから実がなり始める。

摘心

トマトは、花、葉、葉、葉、花、葉、葉、葉、花・・・と規則正しく上方へ繰り返していきます。1段目の花を第1花房と言います。その上が、第2花房、第3花房、第4花房・・となっていきます。摘心とは、伸びている茎を途中で摘み取ってしまうことです。それ以降は茎は伸びないので花も実もつきません。そうすると、栄養が成長に使われずに、すでにできている実を大きくするに使われます。

プランターの容器の大きさ、つまり、土の入る量によって、第3花房か、第4花房の上2、3枚の葉の上を摘み取るようにします。2,3枚上にするというのは、その下の実に栄養を送るためです。土の量が多いほど、花房数(段数)を増やしても栄養が行き届きます。

摘心をする。プランターでトマト栽培。田舎での家庭菜園。

写真は第5花房の上、2枚で摘み取っている。今回はうっかり5段目までいってしまったが、4段目で摘心したほうが無難。

収穫へ

トマトの収穫。プランターでトマト栽培。田舎での家庭菜園。

ミニトマトは一度に全部熟さず、実がなり始めた順に少しずつ時間をかけて色づいていくため、収穫期間が長くなりやすい。へたの付け根まで赤くなったら食べ時。採れたてをすぐにいただこう。朝採りが養分が高いらしい。7月に入れば収穫できるようになる。

実はトマトは多年草です。多年草とは、二年以上にわたって生きる植物です。一年草のように感じられるのは、一年間の内に栽培を終えてしまうからです。なぜなら、冬の寒さに耐え切れずに枯れてしまうからです。トマトは、南米のアンデスが原産地です。

なので、実を食べきって、栽培はこれで完結です。

プランターの土の再生利用

プランターの土は使い捨てではありません。古い土も適切に改良すれば何度でも栽培に使えます。ただ、トマトの場合、連作を嫌うので同じプランターで続けて栽培しないほうがよさそうです。土の再生利用については、別のところで説明しています。

参考文献 『プランター菜園コツのコツ』(上岡誉富・著)、『プランター菜園のすべて』(木村正典・著)

– 追記 – 2年目の栽培では、脇芽を残し収穫量アップ

《2020年7月30日記》
1年目でどんな感じなのか何となくわかったので、2年目はもう少し収穫量を増やすようにしてみました。

ミニトマトの収穫。自給自足には及ばないが、それでも田舎でもベランダの家庭菜園は大活躍
主枝の第3花房、第4花房ぐらいまでは収穫が進んでいるが、まだまだ収穫できる。

春、苗を植えるときに横にして植えました。その後、茎を支柱をぐるりと囲むように誘引してきました。茎は45度に傾けると生長がよくなり実をつけやすくなるという話を聞いたので、それに近づけました。同じ高さにするにしても、真上に茎を伸ばしていくよりも、花房も多くできます。

脇芽は第1花房より下のものはとり、それ以外は状況をみて調整します。今回は、第1花房から上の元気のよさそうな2本の脇芽を残し側枝としました。その側枝からも1本の側枝を伸ばしました。

主枝は第8花房、2本の側枝は第4花房まで、さらに孫の側枝は第3花房で摘心しました。計19花房です。果実が200個近くはいけそうです。

あと肥料は発酵油かすにして、水やりは2,3日に一回ぐらいです(梅雨が長引き晴れの日が少ないので)。葉が元気なさそうな感じがしたらやるという感じです。

自給自足には微力ですが、それでも田舎でもベランダの家庭菜園は大活躍です。採れたてがたてが食べられるということだけでなく、何より害獣の被害にあいにくいのがいいです。

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執筆者:有賀知道

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