日本では多くの会社が3月と12月を決算月にしているようです。決算時期は自由な日付に設定することができるのですが、一般的に他のところも3月が多そうだからということで、うちも3月になっています。
法人の決算を自力でやってみる
決算期が終わったら、2か月以内に、法人税の支払いや、決算報告書を税務署に提出する必要があります。「仕事を創る」として、ようき農園を始める としたので、それに対応した決算書の作成です。(本来は、今になって1年分まとめて会計処理するのではなく、こまめに処理していくのが王道でしょうが・・・)
これまでとの大きな違いは、農業会計を取り入れたことです。まずは、『農学基礎セミナー 農業会計』(農文協)でざっくりどんな感じか把握です。会計の考え方は変わらないので、どんな勘定科目を立てるのか参考にします。
これまで縁のなかった農業会計の理解からはじまり実際に税務署と行政への申告書の提出書類の作成まで1週間足らずで完了です。簿記など習ったこともやったこともなかったのに、こうしてスムースにできるのも、1冊の本と税務会計ソフトのおかげです。
ビジネスに関わっている人なら誰でも一度は、決算書を読めるようになりたい、他社の財務諸表を分析、経営分析できるようになれればいいな、と思ったことはあるかも知れません。かくいう私もサラリーマンをしていたときからそう思ってきたものです。自分で事業をしだして全体がわかるような立場になってからも、作成してもらった決算報告書などを見て一応わかったような顔はしていたのですが、本当のところ意味がよくわかりませんでした。
損益計算書は、一般的な言葉で言えば売上げと経費を主に表しているようなので、日常の事業活動と直結しているようで感覚的にわかりやすいですが、貸借対照表(バランスシート)はいまひとつです。
なにがバランスするのか? これで何を表そうとしているのか? 損益計算書との関係はどうなっているの?
しかし、1冊の新書のおかげで、わかったような気にならせてもらいました。『財務3表一体理解法』(國貞克則・著、朝日新書)という本です。わかったような気は案外大事です。なにせ会計は難しそうだな、を取り除いてくれたのですから。しかも、わかったような気だけでなく、自分でも決算書がつくれるのではないかという気にもさせてもらいました。
たしかにわかったぐらいだと、すぐに忘れてしまうので、一回は自分で仕訳して決算書をつくってみようではないかとやってみたら、これまた理解が大いに深まるではありませんか。
仕訳の仕方はよく理解しておかないとダメですが、今はソフトに打ち込むだけで決算書まで一気呵成です。決算書までどころか、税務署への申告書の作成なんかまでやってくれるものまであります。5年以上前から『税理士いらず』という税務会計ソフトを使っていますが問題もなくきています。
農地所有適格法人を視野に入れておこう
そうでした、農業会計の前に、そもそも農業法人についてです。農地を借りて農業を営むような場合ならとりたてて問題はないのですが、農地を所有ということになると、「農地所有適格法人」の要件を満たす必要がでてきます。
うちも「農地所有適格法人」を視野に要件を満たすようにしていきますが、現時点で農地を所有する具体的な計画はまだないので、実際に農地取得の申請を農業委員会に出した時にはじめて「農地所有適格法人」になれるかどうか決まることになります。
農業会計を導入するのは直接の要件ではないのですが、事業要件として売上高の過半が農業(販売・加工等を含む)ということなので、それをわかりやすく表すためには農業会計を避ける必要もありません。というか、売上げに見合わない、つながらない経費をあぶりだしてくれる効果も農業会計にはあるのですから。
そのほか、ようき農園を始めるに先立ち農業法人らしさを出すために登記も変更しておきました。商号の変更、目的の変更、公告方法の変更です。3つ同時に一度にやってしまいました。登録免許税3万円なり。恐ろしいことにこれをもし商号の変更の登記をして、その次に目的の変更の登記をして、そのあと、公告方法の変更と着実に3回にわけてやろうとしようものなら9万円かかっているところでした。この3つは区分が同じということで1つでも2つでも3つでも同時にやれば3万円。
今後やるかもしれないことは決算月の変更です。個人事業はもちろんのこと農業関連では12月決算が多いようなので、不都合があれば、12月に決算月を変更です。