毎年、この時期に初期消火訓練が行われます。今年は、消火栓による初期消火訓練、去年は消火器による初期消火訓練でした。火災による被害を小さくするには、消防車が到着するまでの間が非常に重要です。初期の段階で消火できれば火災が大きくなることを防ぐことができます。
消火栓による初期消火の訓練
今年の初期消火訓練は昨日の日曜日に行われました。消火栓による初期消火訓練でした。消火栓とは、消火活動に必要な水を供給するための設備です。田舎でも屋外のいたる所に消火栓が設けられています。
消火栓を利用するのに必要な器具の収納箱。約20mのホース3本と、蓋や栓を開けるための道具が入っている。
収納箱の近くに、消火栓がある。重い蓋を持ち上げると、消火栓が出てくる。
ホースをつないで、消火栓を開ければ放水できる。
放水量も多く、ホースは水が通るとパンパンに硬くなるほど圧力があります。安易に扱うと危険なので、注意点なども教わります。
- ホースは、曲がったり、折れたりしないように展開する。
- 火元まで距離があれば、ホースをつなぐようにする。
- 放水側の用意ができてから栓を開けるので、栓側と放水側の意思疎通が大事。距離が離れている場合は、途中に人を配置するなどして、意思疎通がとれるようにする。
- 放水側は、一人は放水、もう一人はその背後でホースを支えれば、ホースが暴れずに安全。
近くの人10人ほどの参加で、30分ほどで訓練終了です。
消火器による初期消火の訓練
昨年、初めて初期消火訓練に参加しました。消火器による、実際の消火訓練です。今年、回覧板で初期消火訓練のお知らせが入ってきたときに、また、同じように、消火器による消火訓練だと思い込んでいました。そのつもりで出かけました(実際は消火栓の訓練でしたが)。
昨年に書き残しておいた消火器による初期消火訓練のメモで復習して。なぜ書き残してあったかというと、東京にいたときには考えたこともなかったし、大事な内容だと思ったからです。
なぜ復習したかというと、恥ずかしい記憶がよみがえったからです。汚名返上の機会到来(だと思ったから)です!
消火器訓練の当日、最初のほうで、担当の人が参加者10人ほどに「消火器ってどれくらいの時間、噴射すると思いますか?」と質問をしました。しばし沈黙が・・・。
「5分ぐらいですか」と沈黙に耐え切れず言ってしまいました。また、しばし沈黙。
そうしたら、なんとなく答えを知っていたであろう年配の女性が「1分ぐらいですかね~」とつないでくれれました。
「そうですね、だいたい20秒ほどです」
担当者の狙い通りに、うまいこと導入部に利用されてしまいました。この20秒は記憶の底に焼き付いてしまいました。
たしかにこの20秒は非常に大事です。火事の場合、実際は、慌ててしまい、消火器の置いてあるところで、ピンを抜いて、知らないうちにレバーを下ろし、噴射していても気づかず、火元に行ったときは噴射時間が終わった状態になっていたということもある、と説明していました。
消火器の説明と実演では、わかりやすいようにだと思いますが、粉末系と液体系の消火器を対比して単純化して説明してくれました。(当たり前ですが、消火器にもいろんな種類がありそうと思わせてくれました)
粉末系 | 粉末は温度を下げない。粉末で覆うだけ。火種が残りやすく、残っていると再び火がつく。噴射距離は4メートルほど。 |
液体系 | 液体は温度を下げる。火種が残らない。レバーを戻せば止まるので、液体が残っていれば、まだ使える。噴射距離は8メートルほど。 |
液体系のほうが圧倒的に優れているわけですが、値段は高い。数を多く設置しないといけないホテルなんかでは、粉末系のところも多いような話もしていました。
粉末系の実演では、水の上に油をひいて火をつけて、消火のデモをすることがあるが、現実的にはそういう状況はない、とも。
さて、実演では、一斗缶に何本もの木材を入れて燃やし、灯油ストーブに見立てました。参加者の中の女性二人が消火に当たることに。一人は粉末系の消火器で、もう一人は液体系の消火器です。粉末系ではいったんは火の勢いが弱まるものの、すぐに再燃しだし消火には至りませんでしたが、液体系ではすぐに消火できました。対比効果抜群です。
実際に消火器を使うときの要点を以下のようにまとめました。
- できれば風上にたつ。
- 4メートルほど離れる。
- 消火器操作の3行動。
- ピンを抜く
- ホースを向ける
- ハンドルを握る
- 消火器は、火に向けるのではなくて、火元に向ける。
- 2メートル以上の火は逃げる。
この訓練日以降変えたことがあります。消火器の置く場所です。これ以前は、押し入れの中に置いてありました。でもこれではダメだと教わりました。湿気がなく目立つところが最適だということで、今は玄関のところに置いてあります。
消火器は玄関のところに置くようにした。
7割の家ではすぐに使えるようになっていないそうです。しまってあるところを忘れてしまっていたり、火元になりそうなところに消火器がおいてあったりしてです。一見、火元になりそうな近くに置いておきがちですが、いざの時は、火元になれば使えなくなってしまいます。
実際に消火器を使った訓練をしてみると、初期の段階なら、慌てず、消火器の操作を間違えなければ、消せそうな感じは持ちました。