IP電話でも、VoIPアダプタというものを利用するとFAXができます。このアダプタがあれば、いままで使っていた固定の電話機やFAX機が使えます。田舎でテレワークをする人で地域性を隠したい人には、050番は最適です。
田舎で電話と番号の違うFAXを持つ
わが家があるところは、NTT東日本が提供するFLETS光の提供エリア外になっています(南牧村の中でも提供エリアになっているところもありますが)。インターネットは、 南牧村のCATV網を使っての接続サービスを利用しています。
電話もまだアナログ回線です。となると、FAXを利用したい場合、同じ番号で電話とFAXの共用にするか、番号を分けるたいならば、ISDNという今後なくなっていく懐かしいものを利用する必要があるということになります。
NTT東日本が提供する「ひかり電話」が使えれば、FAX番号を得るのも楽ですし、費用もISDNに比べれば格安です。
これまでは、電話とFAXの共用にしていましたが、ISDNを利用することなく、何とか番号を分けたいと思っていました。IP電話が使えるのではないかとはうすうす思っていました。
現在、IP電話の代表的なものは以下の3つです。
- 050 plus(NTTコミュニケーションズ):基本料金300円/月
- SMARTalk(楽天モバイル):基本料金無料
- My 050(ブラステル):基本料金無料
ただ、通常の使われ方は、スマホにアプリを入れて使うので、FAXは利用することはできません。
FAXを使うにはどうするか
何のきっかけで知ったのか忘れてしまったのですが、「VoIPアダプタ」というものを利用するとFAXができそうだということを知りました。このアダプタがあれば、いままで使っていた固定の電話機が使えます。IP電話を普通のアナログ電話機で受けられるようにしてくれる優れものです。 ということは、FAXも使える可能性があります。
可能性があるという言い方をするのは、上記のIP電話のサービス会社の中には、FAXができないものもありそうだからです。
VoIPアダプタは、業務用の高価なものを除けば、手ごろな価格で手に入れようとすると選択肢はそれほど多くないです。手ごろなものとしては、Grandstreamという米国メーカーのHandy Tone- 801(HT-801)や、802(HT-802)という機種が代表的なようです。
私が買ったのは、Handy Tone- 802(HT-802)で、アマゾンで8300円で購入しました。801はポートが一つで一回線ですが、802はポートが二つあり、二回線使えます。
手ごろな価格のVoIPアダプタ の、Handy Tone- 802(HT-802)
このアダプタを手に入れても、自分で設定しないと動き出しません。ネット上に試してくれた人たちの設定の仕方の情報がなければ(しかも日本語で)、まったく買う気もおきなかったでしょう。いろいろ書き込んでくれていた人がいるので、素人でも大丈夫(そう)。
「HT-802 固定電話」みたいな感じで検索したら、具体的な設定の仕方も出てくると思います。私が一番参考にしたのは、【IP電話】固定電話をHT801を使いIP電話化して維持費0円運用「設定完全版」です。
050は地域性を隠せる
そうでした、私が申込んだIP電話は、SMARTalk です。最初にFAX利用するために、第一弾の申し込みをして050番を取得し、問題なく使えそうだったので、第二弾で電話用の050番を追加で取得しました。取得は無料です。こちらから電話をかけるときは、もちろん通話料がかかります。私の場合、こちらから、このFAXや電話を使うことはあまり多くなさそうなので、通話料は気にすることなく、FAXが使えそうだというだけで、SMARTalk にしました。
SMARTalkをスマホで利用するよりも、固定電話化したほうが通話の品質は安定するようです。
会社用でも050番の利用も珍しくないのですが、一方で、050番は無料でスマホのアプリで簡単に利用できる、ということも知られています。ただ、FAXも050番ということと併記すれば、会社的な雰囲気が出て安心感が増すかもしれません。
そして何より、田舎でテレワークをする人で地域性を隠したい人には(というと怪しくなるので、あまり表に出したくない人には)、050番は最適です。
ちなみに、私はFAXで受信するとき紙にプリントアウトされるようにはしていません。PDF変換されたものがメール添付で送られてくるように設定しています。紙の無駄にもなりませんし、どこにいてもFAX受信の内容を確認できます。この機能が付いているFAXを持っている人にはお勧めです。テレワーク向きです。
ついでに、050で固定電話もつないでみた。
非常時に役立つかも
こうして、SMARTalkで050番にすれば、基本料金はかからないので、こちらから通話やFAX したときのみ料金がかかるだけになります。こちらからかけるときは、ラインや通話料なしで利用できる携帯などを使えれば、通信費削減になります。
通信費削減のみならず、固定化されたIP電話は非常時に強いと言えます(電気が通じてないとダメですが)。
東日本大震災発生直後、携帯電話はかなり長い時間、繋がりにくくなっていましたが、インターネット網を使ったIP電話やSNSでリアルタイムの情報交換が行われていたことは知られているとおりです。
注意点はある
米国製のGrandstreamのVoIPアダプタはニッチな製品のようです。 日本において、メーカーや販売店のサポートも期待できません。
ということは、運用中にトラブルが発生したら全部自分で対処しないといけないといことです。それにはネットワークの知識やSIPプロトコルの知識なんかが必要かもしれません。そんな知識もなくやろうとするわけですから、たしかにリスクはあります。
このリスクは大したものではない、と言える状況の人が取り入れるのが無難です。「VoIPアダプタを使ってSMARTalkなどのIP電話サービスを正しく動作させ続けるのは難易度が高い」と指摘している人もいました。
通話の品質はネット環境によって左右されます。050番で電話もできるようにしましたが、私はまだアナログ回線の電話も残しています。しばらくの間、様子を見て、アナログ回線がなくても問題ないようでしたら、050番だけにしてしまおうかと思っています。
細かいところでは、以下のようなことがあります
- 110や119などの3桁電話番号に架電する事はできません。
- クレジットカードがないと申込めません。複数の番号を申込むときに、それぞれ違うクレジットカードを指定すれば無料ですみますが、同じクレジットカードで複数の電話番号を取得するには2つめ以降1回につき500円ずつ手数料がかかります。
- SMARTalkは、1年に一度利用しないと、使えなくなる可能性があります。公式サイトのQ&Aに「 12か月間利用料の請求を行うことがない場合、サービス契約を解除することがあります。」 となっています。
私が実際に050番にして、わからない現象が一つ。電話がかかってきた場合、着信音がなってすぐに受話器を上げても繋がらず、2秒後ぐらいに着信音の音色が変わってから受話器を上げないと繋がらないという現象です。すぐに受話器を上げてしまっても、一度受話器を置いてから取り直せば繋がるのですが、何故こうなるのかわかりません。
電話も設置して、しばらくしてから、FAXの送受信がうまくできていない状況に気づきました。何が原因かいろいろテストしてみたところ、電話の設置のときに、SMARTalk管理画面の各種設定で着信通知をメールで知らせる設定にしたのですが、ついでにFAXも同じ設定したのが良くなかったみたいです。もとの「着信転送も留守番電話も利用しない」に戻したらFAXの送受信ができるようになりました。
– 追記 – NTTの固定電話を休止する
《2020年4月29日記》
設置からひと月ほどが過ぎました。問題が起こらなかったので、NTTの固定電話を休止しました。電話加入権を保持しての休止状態です。解約にはしませんでした。また、固定電話を復活させることがあるかもしれないからです。
権利を休止状態にしていても、10年ごとに更新の申し込みをしてないと、権利が解約になってしまいます(解約に関し、NTTからの事前連絡はない)。この権利がないと、南牧のようなアナログ環境ではNTTの電話が使えません。権利を取り直すか、権利をとらないなら基本料金を高く設定するプランにするほかありません。