来年のシソ栽培に向けた準備をしだす。

公開日:2021年8月1日 更新日:

南牧村の道の駅でよく売れるものに、シソ巻きがあります。シソの葉が足りないという話を聞いたので、シソの栽培を来年から手掛けてみようと思っています。

来年のシソ栽培に向けた準備をする
来年のシソ栽培に向けた準備をする。

すでにお客さんがいるところがいい

自足(自給農、半農)分野の延長にビジネスを考える場合でも、もの珍しいものを作る、自分の作りたいものを作る、必要とされているものを作る、どれがビジネスになりやすいかは明瞭です。

どんなにもの珍しかろうが、どんなにこだわったものであっても、対価を支払ってくれるお客さんがいないところはビジネスが成り立ちません。

新規事業や新商品を軌道に乗せるのは並大抵なことではありません。それに比べれば、うまくいっている事業を引き継いで維持するほうがリスクはやはり少ないです。

同じように、どんな販売作物を作ろうかと考えているときに、目新しい品を出すよりも、買う人が確実にいるのにもかかわらず、供給が追い付ていないものを狙うのは上策でしょう。徐々に健康長寿にまつわる産品を手掛けようと思っていますので、それに少しでも関連性があればどんどんやってみたいと思っています。

問題は、それが何なのか? ということです。それをどうやって探るのか? 

答えは現場に落ちている! 

道の駅に手伝いに行っている、うちの嫁さんがすぐ答えてくれました。その中の一つがシソ巻きです。

シソ巻き商品は、栽培する人と加工する人は分かれています。うまくバランスがとれないとスムースに販売量は伸びません。シソの栽培量が少なくてもダメですし、栽培量が多くても加工が追い付かないとやはりダメです。

ともあれ、現在、シソの葉の供給が追い付かなくなっているということですので、シソの栽培を来年から手掛けてみようと思っています。

まずは何より、リサーチです。

シソの栽培について学ぶ

加工と販売についてはひとまず置いといて、栽培者に話をきかねければなりません。下記のような項目です。

  • 栽培の場所
  • 栽培の仕方
  • 栽培量の変遷
  • 納品の仕方

特に栽培については、何せこちらは素人ですので、根掘り葉掘り聞いて理解を深めておかなければなりません。運よく最近まで栽培していた農家のSさんにお話をうかがうことができました。

  • 土壌
  • 土づくり
  • 堆肥
  • 肥料
  • 育苗
  • 作付け
  • 水やり
  • 整枝
  • 収穫
  • 病害虫
  • 消毒、農薬

私自身、素人ながら畑作業をして農作物も手掛けるようになってきたので、質問することも具体的に用意することができましたが、東京からこちらに移りたてで実地経験がないような状況なら質問も思い浮かばなかったでしょうし、Sさんが何か話してくれたとしてもほとんど理解できなかったと思います。理解できるまでになったのは大きな進歩です。

それまでに話を聞いていた農業委員の人が、あの人に話をきいたらいいよ、と教えてくれたのがSさんでした。さまざまな人に話を聞きましたが、土壌の見方一つ、作物の見方一つとってもそれぞれですが、それぞれの立場と経験で教えてもらえるのは大変ありがたいことです。

ところで農業委員って何? 

農業委員とは

シソの栽培するにあたりどこでするかという話になったときに頼りにしました。あそこの畑は去年までシソを栽培していたので、地主の人に貸してくれるかどうか聞いてみよう、というような具合です。

各市町村には、農業委員会というのがあって、農地の売買や転用に対する許可をするという話は聞いたことがありました。田舎暮らし関連の本に書いてありました。登記簿上の地目が「田」「畑」になっている農地の売買は気をつけろ、と。農地の所有権を移動するには、売買契約が成立しただけではダメで、農業委員会の許可が必要ということです。許可を得るには、営農計画書または土地利用計画書を提出して、その審査とともに、「耕地面積が合計50アール(南牧村では20アール)」「農地と同一市町村に住んで確実に農業を営むこと(地域によっては営む準備があること)が前提条件となります。要するに、農業をやる気がない人は、農地を所有することはできないということです。

農業委員会は、「農地法に基づく売買・貸借の許可、農地転用案件への意見具申、遊休農地の調査・指導などを中心に農地に関する事務を執行する行政委員会として市町村に設置されています。」と農林水産省のサイトにあります。

遊休農地の調査・指導などもおこなっているので、農業委員の人は、どこにどんな畑があってどういう状態か、とよく把握しているということがよくわかりました。

家庭菜園ではだめかもしれませんが、何かちゃんと作物を作ろうとしている人には助けになってくれそうな存在です。

– 追記 – ハウスで予行演習する

《2021年8月30日記》
今年春から、シソをハウスで30株ほど栽培していました。朝食で納豆ご飯にシソと海苔と少量のわさびでくるんで食べるのが大好きです。南牧に移り住んでプランターで一番最初に作ったのがシソでした。来年にシソ巻きのシソを提供しようとは具体的には思っていませんでしたが、今年はハウスで栽培していました。

通販でよく使用している高木農園というところで「芳香あおしそ 」(5ml、275円、福岡県)を購入しました。商品説明にはこうあります。

大葉の人気種。鮮やかな緑色で、裏も赤味を帯びない。丸葉で先端がやや尖り、葉面に縮みが少なく、平滑です。香りが大変よく、生育も旺盛です。電照、暖房の下では周年栽培ができる。プランターでも栽培できます。

5月1日に種まきをしました。90cmの畝幅に2条の直播きです。あまり密にならないように気を付けますが、種は小さいので、2,3粒一緒に落としたりで均一にまくのは難しいです。成長段階で何度か間引きです。

7月にはチョロチョロ葉っぱをとって食べだしていました。

ここ最近は、お話をお伺いしたシソづくり名人のsさんに習った整枝法の実践です。

8月30日の朝、葉を採取前の状況。

ハウスの中なので虫にやられることもなく、肥料分もたっぷりだったようで追肥もしませんでした。大きいもので1mほどになっています。試しに、シソ巻きを道の駅で販売しているプロに見てもらったら合格ラインには達していたようです。

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執筆者:有賀知道

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