だいぶ農作業も落ち着いてきました。畑に出る時間も少なくなってくるうえ、お彼岸を過ぎてめっきり涼しくなってきたので、ヒルに血を吸われる心配をしなくてもよさそうなのでひと安心です。
今年はいつ一番最初にやられたか忘れたが、梅雨よりも前だったようです。こんなに早くからヤマビルにやられるなんて、この先思いやられると暗い気持ちになっちまいました。昨年も2,3回はかまれてたと思いますが、それはすっかり忘れていて身体についているのを見た瞬間に手で振り払ってどこに行ったかわからないぐらいに慌てたものです。何たって気味が悪い。
何回か噛まれているうちに慣れてきて、まず血で床が汚れないように屋外に出て塩水スプレーを噴射してヒルを肌から引き離し、塩をふりかけます。ヒルが噛んだ場所がわかれば、そこにポイズンリムーバーという毒を吸引する器具をあてて吸引をして(血がけっこう出てくる!)一連の作業が終わります。
だいたいヒルを発見するのは作業が終わってからです。屋内に入るときのチェックで気づいたり、屋内に入って着替える時なんかのむず痒さでの発見です。
ヒルだのブヨだのムカデだのの真っただ中にいると、少しの違和感でも感知できる皮膚センサーのありがたさを再確認できます。センサーがなかったらと想像するだけで恐ろしい。そういえば中学生の頃見たジャッキーチェンの『蛇拳』で、主人公は痛覚をなくして相手にやられてもヘッチャラ状態にして相手をやっつける(あやふや記憶で間違っている可能性が大ですが)みたいな話を、それができればいいなーと面白がっていたことを懐かしく思い起したりしました。
ともあれ、ヒルは薄い靴下の上からも血を吸っていたし、首のところによくくっついていました。首にくっついていたと言うと、村の人もそういう経験がある人が多いので「木から落ちてくるからなー、下ばっかり気にしていてもね・・・ほんと油断ならないやな」と被害仲間意識が増大です。たしかにあのゆっくりした動きのヒルが地面から首まであがってきそうにない。でも、これ違うみたいです。
私以上にヤマビルを恐れる嫁さん(群馬の中の都会育ちなので仕方ない)、対策にも労を惜しまず今年は一回もヒルに噛まれませんでした。昨年は何回か噛まれていましたが、そのときの「ギャーーーーーー」は家に熊でも押し入ってきたのかと思えるほどでした。そのトラウマから今年はヒルの登場前から『ヒルは木から落ちてこない。 ぼくらのヤマビル研究記』(樋口大良+子どもヤマビル研究会・著、山と渓谷社、2021年)を読んで準備万端にしてました。
私は嫁さんから内容を伝え聞いたのと、最初と最後と中身はざっくり見ただけですが、これはいい本だとすぐにわかりました。そうです、本のタイトル通りヒルは木から落ちてこない。下からしかあがってこない。あまりイメージがわかないが。
たまたま、私の血を少し吸った後、床に落ちているヤマビルを発見、思いのほかキビキビしたな動きだ!
群馬県でも、シカなどの野生動物の分布が大きく広がっていて、それに伴い、ヤマビルの分布も拡大していると県のホームページなどで注意を促しています。同書を見ると、もうちょっと違うルートも垣間見えます。
どのような侵入ルートにせよ、うちの畑はすでにヒルが入り込んでしまっているわけですが、ヒルは乾燥に弱いということも同書で指摘しています。たしかに畑のすべての面の草をきれいにとりさり、裸にして乾燥させればヒルにとっていずらくなるだろうと想像できます。しかしながら、裸にし過ぎると土壌や作物の栽培にマイナスになることだって考えられます。特にここ最近の猛暑なんかではダメージが大きすぎる気も。様子をみながら微調整の繰り返しでしょうね。