枝豆は収穫後、急速に風味が落ちていくので、取り立てをすぐに茹でたいところです。とにかく、早ければ早いほどいい。食べる直前に手軽に収穫できるというプランター栽培の強みがもっとも活かされるのが枝豆です。ビールのつまみに、こんな枝豆が食べられようものなら他は何もいらない(かも)。
枝豆栽培のポイント
枝豆は他の野菜に比べて肥料はあまり必要ありません。肥料をやりすぎると枝葉ばかり大きくなり実がつきにくくなります。枝豆の根には、空気中の窒素を固定して栄養にする根粒菌と呼ばれるものがつくからです。枝豆のほか、多くのマメ科野菜に根粒菌はつきます。
植物が成長するためには、窒素が必要です。なので、窒素を含んだ肥料をせっせと施します。もしも空気中の80%を占める窒素を植物が直接利用できれば、窒素肥料の必要はなくなりますが、そんなにうまい具合にはいきません。でも、根粒菌は窒素を窒素肥料に変えてくれる力を持っています。
『雑草のはなし』(田中修・著)に根粒菌の話が載っています。レンゲソウ(マメ科)の説明ところでです。
レンゲソウの根のコブの中に暮らす根粒菌は、空気中の窒素から窒素肥料をつくることができる。私たち人間も窒素を利用して、窒素肥料をつくることはできる。しかし、そのためには、とてつもなく高い温度や強い圧力が必要である。とてもふつうの温度や圧力の下で、空気中の窒素を窒素肥料にすることはできない。
根粒菌は、ふつうの温度や圧力の下でその反応を行うことができる。だから、あまり土地が肥えていない場所でもレンゲソウを植えておくと、そのレンゲソウの根に根粒菌がくっついて空気中の窒素を窒素肥料に変えて、それをレンゲソウに与える。そのため、レンゲソウは人間が窒素肥料を与えなくても、どんどん元気に育つ。
枝豆を育ててみる
プランターに植え付け用土を入れる
鉢底石を敷く。排水性や通気性をよくする働きがあり、根腐れの予防に効果がある。
土づくりに慣れていれば、肥料分は少なめ(特に窒素)にしたいところだが、市販の培養土でもだいたい大丈夫。
直まきする前に、水をたっぷりとやる。
マメ科は移植で根が傷みやすいので、苗から植えるのではなく、種を直まきをするほうがよいようです。
直まきをする
指で穴をつくって、一か所4点で種まきをする。終わったら、種に土をかぶせ、再度、水やりをしておく。
発芽するまで乾燥は禁物。せっせと水やりをして、無事発芽する。
二つの子葉が出る。双子葉植物ということがよくわかる。
発芽には光は必要ないが、発芽後、枝豆は光と水を好み、豊作になるかどうかは日光次第なので、日当たりの良い場所に置きたいところです。子葉の次に本葉が出るのが一般的ですが、枝豆はやインゲンは子葉の次に初生葉と呼ばれるものが出てから本葉が出てきます。
本葉が2枚ぐらいになったら各場所2本ずつ間引きするようにします。直まきのときは、多めに種をまいて間引いていきます。多めにまくのは、全部発芽するとは限りませんし、全部健全に育つとは限らないからです。ただ、ある程度大きくなると、お互いに成長の妨げになり、一本一本生育不良になるので、タイミングよく間引くようにします。
花が咲き、実がなってくる
花が咲くところ。害虫もよってきやすくなので、その都度取り除く。
どんどん実がなってくる。収穫する前に、葉の色が悪くなったときなどだけ追肥する。
適期を過ぎて日がたつとマメがかたくなるので、早めに収穫します。さやが太ったものから付け根をハサミで切り取っていくか、株ごと抜きとるか、地際から切り取ってもいいでしょう。
品種によっても違いますが、種まきから収穫まで70日~90日ほどです。栽培期間が長くなるほど栽培が難しくなってくるので、栽培期間が短い早生種を選んだほうがい失敗が少ないようです。
土の再生利用
プランターの土は使い捨てではありません。古い土も適切に改良すれば何度でも栽培に使えます。土の再生利用については、別のところで説明しています。
春から枝豆を栽培したプランターで、秋からは大根を植えるということもできます。一つのプランターでも古い土を改良することで、2回転させることができます。