本棚をつくって本当良かったです。これまでの散乱がうそのようです。今年に入っての一番のスッキリ感です。
電子書籍でいいのでは
たしか兼好法師は、狭い部屋でも本はいくらあっても見苦しくない、みたいなことを言ったと記憶しています。間違っているかもしれません。意図が違うかもしれません。しかし、そのように理解して、いや言い訳して30年ぐらいになります。
実家にスチール本棚を10個ぐらい置いてそこに保管したり、東京から引っ越すときに大半は処分しても、本は部屋に増える一方です。
このデジタル時代、わざわざ紙にした本にしないで電子書籍で十分なのでは? もっともな指摘です。
東京時代に実際にやってみました。
東京の家賃は今考えればとてつもないし、当時も本が占領するスペースのために家賃を払ってどうする! こう考えると電子書籍が一番スッキリです。
で、一カ月もしないうちにこの目論見は崩壊です。
本を買ってきて読むのは、物事の理解を深める助けにするためで、これ以外は気にしないことにしよう。結論です。
人によって相性があるでしょうが、ワタクシの場合、電子書籍のディスプレイでは読んだ気にならないし、内容が頭に沁み込んでこない感じです。
むかし出版社にいた時に、「オフセット印刷のものは読んだ気がしない。活版印刷のものじゃないと」と言っていた人がいましたが、似たような感覚です。
電子書籍ついでに、本は眼も疲れるので、オーディオブックの音声を買い集めたこともありますが、これもほとんど聴いてないです。これは、今後聞く可能性はほんの少しはあるかもしれません。
蔵書の苦しみ、本が増えていけば当然こうなります。『蔵書の苦しみ』(岡崎武志・著、光文社知恵の森文庫)を読むと、上には上がいるとわかって安心できます。
DIYで本棚をつくる、いや組み立てるか
これまで何回か棚をつくってきて、いままで壊れこそしていないが、作りながら曲がってるな~というところが少なからずです。一つ曲がると他のところにも影響します。
実際に棚をつくりながら原因は大きく2つにありそうだと素人なりの考えです。
- そもそも寸法通りに材料がキッチリ切断されていない。
- ネジを通すとき、曲がってしまう。
今回の本棚づくりでは、この失敗が起こらないようにしました。
- 自分で木材を切断しない。
- バカ穴方式にする。
教えてくれたのは、『清く正しい本棚の作り方』(戸田プロダクション・著、スタジオ タック クリエイティブ)です。
ラックあるいは食器棚や本棚など、どれであったとしても、その製作過程の中で何より重要なことは、各部の「直角精度をキープする」ことに尽きるのだ。その意味では「材料の裁断」こそがこの直角精度を出す「最初で最後の難関」であり、こいつに我々素人がノコギリ片手で挑戦するのはほとんど「狂気の沙汰」としか言いようがない!
特に本棚の場合は、何枚も切り出す棚板の長さを完全に揃えることが大変重要であり、例えば1段目と2段目の棚板の長さが仮に1ミリでも狂っていたとすれば、その誤差は最上段で莫大な狂いとして拡大されてしまうだろう。そんな本棚には、どこにも「直角」が無いはずだ。
『清く正しい本棚の作り方』(戸田プロダクション・著、スタジオ タック クリエイティブ)
正確な裁断は建具屋さんに依頼するのがいい、と著者は言っています。今回は周りの壁なども利用して本棚にするので、そこまで正確にやらなくても大丈夫そうなので、木材を購入したホームセンター(セキチュー富岡店)で裁断してもらいました。
バカ穴というのも本書で知りました。バカ穴とは、下穴の直径をネジの直径よりも大きくすることです。
最初読んだときは何のことかわかりませでした。間違いで書いたのかぐらいに思っていました。下穴の直径をネジの直径よりも大きくすれば利きが悪くなるではないか、と。
他の棚を作っているときに、棚板を直角にネジでとめるのは難しいな~と思っているときにつながりました。そうか、バカ穴にすれば微調整できるぞ、と。
ともあれ、本棚はうまく作るというよりも、組み立てるというように考えを変えたほうが良さそうです。
場所にあわせて本棚をつくる
セキチュー富岡店へは、木材の切り出し図を描いて持って行きました。木材はツーバイフォー材の関連で揃えました。安かろうと思いましたが、結構高くついたし端材も多く出たので、次の機会には木材の選定にも気を使うつもりです。
壁に固定する木材 | 155cm×2枚に裁断。SPF 1×8材 6フィートを2枚、2816円 |
棚板を支える木材 | 35cm×4枚、30cm×12枚に裁断。ホワイトウッド 2×8材 10フィートを2枚、5016円 |
棚板にする木材 | 255cm×4枚に裁断。SPF 1×8材 12フィートを4枚、10912円 |
裁断料は1カット50円で、17回あったので、850円なり。全部で2万円近くになってしまいました。長いものは255cmありましたが、トヨタのパッソで何とか運ぶことができました。
金額のことはさておき、地震なんかのときに倒れてこないようにしないといけません。
- まずは、壁に固定させるための木材を下から天井までしっかり取り付ける。
- しっかり固定させるためには、壁裏の木材にネジを打ち込むようにする。下地センサー(シンワ測定)と、念のためペン型の下地探し器具でも行った。
- 棚板は255cmもあり本の重みで木材がゆがむといけないので、途中2か所に支柱材を入れる。
- ネジは、38mm径の長さ41mm、55mm、75mmの3種類のコースレッドで場所に合わせて使用。基本的に取り付ける木の2~3倍のネジの長さになるようにする。取り付ける木の側には40mmの下穴をあけておく。
背表紙がすべて見られるようになって調べ物もスムーズになりました。快適です。大満足です。
この平和な状況がいつまで続くかはわかりませんが~