メヒシバおそるべし

公開日:2021年9月26日 更新日:

メヒシバ、何か麗しいような響きもありますが、耕作1年目の畑はメヒシバが我がもの顔です。メヒシバは畑から取り除いたほうがいい代表格のような雑草です。それにしても、メヒシバのテリトリー拡大戦略おそるべしです。

メヒシバおそるべし:除草と駆除の雑草対策
メヒシバおそるべし

後手後手の除草と駆除に

10年以上放棄されていたところを今年から畑にすべく、春に耕耘したあと、種まきや苗植えの前に畝をつくってさまざま作付けしました。耕耘して管理されている畑よりも雑草ははえやすい環境になるとは思っていましたが、甘くみていました。当初思っていた雑草対策は以下です。

  • 種や苗を植えた周り30センチぐらいは、根まで取り除いておく
  • それ以外のところは、作物の風通しや陽当りを邪魔するようなものは15cmぐらいのところ刈り込んでおく。

梅雨入りしてからの雑草の勢いがすさまじく、これじゃだめだと、はっきりしたのがカボチャでした。3株苗をうえて根回りはきれいにしましたが、茎が伸びる先々で雑草にまみれています。おもにメヒシバのようです、いや、メヒシバ天国に間違いありません。15cmぐらいのところで刈り込むなんて悠長なことを言ってられないと思い、メヒシバを根ごと引き抜く、引き抜く。除草と駆除に躍起です。カボチャのツルがからまっていようがお構いなしでやってしまったところが多々あり。カボチャは、どんどん元気がなくなっていき、5個ほど収穫して終了です。もったいなかった。

ほかのエリアは、メヒシバを根ごと引き抜く除草と駆除には広すぎます。『雑草のはなし』(田中修・著、中公新書)を見ると、メヒシバは1株で7~8万個の種を作るそうですが、一年草です。そうか、発芽能力は2~3年ということなので、種を付けさせないように今年、来年ぐらいやればメヒシバは消えていくだろう。種を付けさせない方針に転換です。来年からも作付けする耕作エリアはより丁寧に、それ以外のところは緩やかに。

地際で一つ一つ刈っていくのも手間がかかるので、草刈り機でできるところは地上15cmくらいのところで刈り、手作業でやらなければならないところは、雑草用の剪定バサミでやるようにしよう。光合成もしずらくなるだろうから種ができてこないことを期待して。

これもあまりよくなかったみたいです。メヒシバは危機感をもってかドンドン穂を出してくるではありませんか。

メヒシバはちょっとぐらい刈られただけでは平気:除草と駆除の雑草対策

刈られても刈られても、葉茎が少しでもあれば、穂をだそうとしてきます。

メヒシバの生命力おそるべし:除草と駆除の雑草対策

ほとんど刈られてしまった状況でも穂を出してきます。

メヒシバおそるべし。穂だけは出し種を残そうとする:除草と駆除の雑草対策

穂が付いているのを引き抜いたら、こんな状態でも穂をつけようとしている。

何度となく上の方法でメヒシバ退治をしましたが、9月に16日時点で穂がいたるところに見えます。結局、この日に穂が出たものを刈り取って違う場所にもっていき、その後、草刈り機のナイロンコードでなるべく根元まで取り去るようにして今年はOKということにしました。

メヒシバは、根ごと引き抜くか地際から刈り取って茎を出させないようにするほかなさそうです。完全なる除草と駆除です。しかも、刈り取ったものは畑の中に放置するのもNGです(理由は下記)。

メヒシバのしぶとさの秘密

メヒシバのインパクトがあり過ぎたので、もうちょっとメヒシバの特徴を知っとかなきゃです。一番参考になったのが、『身近な雑草の愉快な生き方』(稲垣栄洋・著、ちくま文庫)です。これをみて納得しきりです。

同書によると、雑草の生存戦略には、横に伸びながら自分の生活テリトリーをどんどん広げていく「陣地拡大型」と、上に伸びて光を独占しながら自分のテリトリーでの優位性を図る「陣地強化型」があって、どちらを選択するかは雑草の種類によっておおよそ決めっていると説明しています。

ところが、メヒシバは状況に応じて両方の戦略を使い分けることができるといいます。広々とした空間では茎を横に這わせてテリトリーを広げ、ライバルとなる作物があると一転して立ち上がり、茎を縦に伸ばして相手を押さえ込みにかかるというではありませんか。

さらにメヒシバの強さの秘密は節にある。メヒシバは茎の途中に必ず節を作るが、この節が重要な役割を果たすのである。

節から根を出せるのです。通常、茎が伸びれば伸びるほど最前線は根元から遠くなってしまいます。でも、節が根を張って物資供給の拠点になれば安定してテリトリーをどんどん広げられます。と同時に、たとえ成長の途中で草刈りなどにあったとして、節さえあればそこから根を出して根付くということができます。節を基点にして再び生長できる。恐るべしです。

だから、刈り取ったものをそのまま畑に放置するとまた根付いてしまうわけか。

メヒシバのしぶとさの秘密。節から根を出す:除草と駆除の雑草対策

たしかに、節ごとに根を出しているのがわかる。うすうすメヒシバを引き抜きながら気づいてはいたが。ほとんど葉茎は刈られているが、それでも穂がついて種を作っている。

メヒシバの特徴もわかったし来年もメヒシバ攻勢にあうだろうから、メヒシバ対策をしないと。除草と駆除の徹底です。

  • 梅雨入りしたら、雨が降ってないときは畑に出て雑草の手入れ。
  • 梅雨明け10日後頃に、畑全体のメヒシバを根ごと引き抜いて、地際から刈り取る、草刈り機のナイロンコードで地際付近まで刈りとる。エリアに応じて使い分ける。
  • それ以降、生えてきたものはその都度対処。とにもかくにも除草と駆除。
  • 刈り取ったものは畑に放置しないで、雑草堆肥をつくるように考えておく。
  • そもそも、雑草が生えるところを先手を打って緑肥で制すことができれば言うことなし。

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執筆者:有賀知道

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