昨年11月に0.5a(アール)ほどに500gほどの小麦の種を播きました。結果、3.7kgを収穫できました。10aに換算すると収量は74kgということになります。全国平均は447kgなので17%弱です。最初とは言いながらちょっとガッカリです。
小麦栽培の仕事がこんなに割りに合わないとは
農林水産省のデータによると令和2(2020)年度の、全国平均の10a(アール)当たりの小麦の収量は447kgです。都道府県別の収穫量は北海道が66%を占め、10a当たりの収量は515㎏になります。北海道を除く都府県の10a当たりの収量は353kgというところです。
昨年11月に0.5aほどに500gほどの種を播きました。結果、3.7kgを収穫できました。10aに直すと収量は74kgということになります。全国平均の17%弱です。最初とは言いながら全国平均を知って少しガッカリです。
同じ農林水産省のデータでは、小麦の一人当たりの年間消費量は31.7kgです。3.7kgだと一カ月半にもなりません。都府県並みに、生産できたとして一人分には1aの耕作地でいいので、0.5aなら半年分が賄えるという計算になりますが・・・。
ところで、小麦は輸入ものがおよそ90%を占めています。輸入小麦は、輸入商社経由で政府が買い取り特定の製粉業者に売り渡します。いくらで買い取っているかわかりませんが、製粉業者への売り渡し価格は1㎏50円ほどだそうです。それが消費者が買うときの全国平均小売価格は1㎏260円ほどになります。
ちなみに、日本製粉は特定の製粉業者のみならず、輸入登録業者にもなっていてまさにこの分野のガリバーです。
さて小麦を栽培して、仮に政府と同じように製粉業者へ1㎏50円で販売したとしよう。10aを耕作し、大盤振る舞いで北海道並みに、515㎏収量が上がったとしよう。
結果、2万5750円なり! これでは誰もやりませんわ。
輸入小麦と国産の小麦を一緒にするな、とおしかりを受けそうですが、実際に国内農家がJAなどに販売する価格は、銘柄や地域によって違いますが、約30円~100円/㎏ほどで、全国平均でだいたい50円/㎏だそうです。政府売り渡し価格と変わりません。
こんな土台の上で、パンだ、ラーメンだ、ケーキだ、パスタだと食の豊かさらしきものを謳歌しているというわけか。
どうして一見、誰もやらないことをやっている農家があるのかというと、ご推察の通り交付金があるからです。うまく活用できれば300円/㎏ぐらいはいくらしいです。販売価格とるにたらずの状態です。
と言いたいところですが、仮に350円/㎏お金が入ってきて、北海道並みの10a515㎏収量で、18万250円です。ん~~~
もちろん、だれでも交付金がもらえるわけではありません。指導してくれる人の言うことをよく聞かないとです。
こうなったら、1000円/㎏で直接買ってくれる人を探すか。北海道並みは難しいから、都府県の10a当たり収量の353kgを目指すとして。これで35万3000円。
ん、でも小麦を作ったら11月~6月までは畑を使用することになる。裏作で何かちょこっと作っての売上げはおいとくとして、年に35万3000円か。となると、畑を広げて100a(1ha)にするか。1haともなればトラクターが必要だな。でもそんな広いところは山間部にはないな。そもそも、1000円/㎏で買ってくれる人はいるのか?
と、机上の計算は続きます。
ともあれもしも農業として取り組もうとすればそうそうに栽培対象から外れることになるでしょう。
そんな計算よりもまずは全国平均の17%弱の収量をなんとかしたら? おっしゃる通りです。
小麦は、今年は5aぐらいで栽培しようと思っています。今年並みなら1人前にしかなりませんが、徐々に要領も分かってくるでしょうから、5aで100kg~はいきたいところです。そうなれば、自家消費分を超えるでしょうから、そのときに改めて計算しだすことにしよう。
小麦の栽培
たしかに、小麦はそれほど手間はかかりません。種まきした後、2回の麦踏みと、成長を邪魔するような畝間の雑草を取り除く作業を2,3回し、穂がついてきたら防鳥糸を張って食害を防いだぐらいです。
条間80cmで筋まきで播種。密に播き過ぎたのと播き幅が狭すぎたようだ。畝間には雑草が。
今回の収穫分は食用というよりは、種まき用にします。量も多くなく食べもしないので脱穀以降の作業は原始的な簡略版です。
- 穂を板にたたきつける。強くたたきつけると実ももちろん落ちるが、もみ殻も落ちる。
- 篩(フルイ)にかけて大きな茎などを除去。まだもみ殻が大量に含まれる。
- 平面にのせもみ殻を息で吹き飛ばす。竹製のテミがあれば一番いい。テミを両手でもってフライパンのようにあおれば、軽いもみ殻はとばせる(はず)。
- 軍手でいじっているともみ殻がくっついてくるので、息を吹くのが面倒くさくなったら、軍手でかきまわそう。
刈ったものは手首の太さぐらいで束にする。それを3束ずつ束ねてつ吊るして干す。18束できた。晴天が3日続いてラッキー。
板にたたきつけて脱穀。土の上にシートを敷いてビンや棒でたたいてもいいが、回収しやすいようにリンゴ箱脱穀。
少したたきつけただけで実が落ちるが、モットモットとやるともみ殻も大量に落ちてしまう。
外だと風が吹くので、シートがめくれないようにうまく固定する。
フルイで大きいゴミをどかし、息を吹きかけてもみ殻などを吹き飛ばす。竹製のテミがあればよかったが。
3.7kgの玄麦を手に入れる。
今回のは種まき用に。よく乾燥させてから保管。
麦わらをマルチにする
小麦の栽培での収益の計算はさておいて、栽培していていいのは、ワラが入手できることです。敷きワラとかワラマルチやってみたかったです。
多くの作物は乾燥防止などのためマルチをしようと本には書いてあります。ビニールマルチならみんなやっているのでいいですが、ワラマルチとなると大変です、何が大変かと言って大量のワラの確保です。草マルチもありますが、草マルチにするにも大量に草が必要ですし、大量の生のものをマルチにするのは腐敗もあるでしょうからちょっとという感じです。
今回のワラの量ぐらいだとちょっとワラマルチして終わってしまいました。ブルーグローとシソの一部分で全部使い切ってしまいました。
花卉のブルーグローのところには、畝全体にやるほどワラがないので、株周りを手厚く。
ワラの残りが少なく手厚くなどできず、押切機で細かく切断したもので株周りだけマルチにする。
今年育てているホウキモロコシや緑肥のエンバクなど使えるものは使っていきますが、もっともっとワラを確保できるようにしておかなければです。