田舎暮らしは雑草との戦いとも言われます。小さいうちに、根っこから引き抜いていけば、雑草なしにすることも夢ではありません。ただ、一坪程度の庭ならいざしらず、広範囲に対応しようとすれば、エネルギーや人手も必要になってきます。どうするのか、イメージをもって雑草を管理したいところです。
田舎暮らしでは、雑草にも目配りを
なぜ、草取りや草刈りをしないといけないのか? もっとも疑問です。
周りから怠け者にみられるからだって? 見られたってかまわないさ、冬になれば大体は枯れるのだからやったって同じだよ!
たしかに、自分の敷地なのだから、雑草を取るも刈るも自由、私の自由じゃないか、と言いたいのもわかります。一理あります。
しかし、田舎では周りにいる人たちは、不安を持って眺めています。雑草が生い茂ることにより、害虫がつき、蛇が寄ってきて、種までうちの敷地にきたらかなわない。動植物に人間界の境界は関係ありません。要するに、実害が及んでくるのではないか、と。
なので、雑草の管理は自分だけの問題だけではないので、必須の作業と言えます。
田舎で雑草を完全になくすのは難しい
雑草をなくしたいのであれば、草取りということになります。草取りは、根っこから引き抜いたり、道具を使って根元を掻きとることです。土をむき出しの状態にします。ちなみに、草刈りは、刈るので茎の部分が少し残るので、土がむき出しのような状態にはなりません。
一坪ほどの庭なら丁寧に草取りはできますが、100坪にでもなれば大変です。時間も労力もかかります。しゃがんでやる作業なので、腰に負担もかかるでしょう。
しかも雑草をなくすと言っても、田舎の地で完全になくすのは、地面をコンクリートにでもしない限り難しいです。
なぜ難しいかというと、雑草は雑草で生き残りをかけて、雑草をはやそうとするからです。たとえば、雑草は、種子が地面に落ちてもすぐには芽を出さないという仕組みを持っています。これは休眠と呼ばれ、生育には適さない状況下では発芽せず、適した状況になると発芽するというものです。
長いものでは10年も休眠できるものもあるそうです。雑草の種は10年祟ると言っている農家の人もいるぐらいです。イギリスの小麦畑の調査になりますが、1㎡あたり土の中に7万5000粒もの雑草の種子があったと報告しています。
同じ種であっても一粒一粒の休眠に差があったりします。ということは発芽するタイミングもバラバラです。雑草の種子は、できるだけ揃わないことを大切にしているとも言えます。一度に発芽すれば、草刈りされてしまば一度にやられてしまう危険があります。野菜や花の種子が、種を播けば一斉に芽が出てくるのとはまるっきり違います。
地表に草がなくなったのを赤色光で感知して芽を出すものまであるそうです。雑草おそるべしです。
さらに、雑草は、種子を風でとばしたり、鳥に運んでもらったりします。油断はなりません。自分の敷地内だけで完結させてくれません。
かように、雑草の生き残り戦略は驚くべきものですが、それでも、都度、草取りで対処すれば次第に雑草はなくなってくる(はず)。なぜなら、植物は光がないと成長できないからです。雑草をなくせば害虫や蛇の温床になるのを防ぐことはできるし、すっきりして気分もいい。田舎暮らしをスムーズにするポイントでもある、周りの人からもちゃんとしている人だと思われます。
6月~9月、雨が降った後にできればいいのだが
雑草が小さいうちであれば、草取りは簡単です。大きくなるにつれて面倒くさくなります。なので、小さいうちに抜きたいところです。雨が降った後で地面が濡れていれば、小さいものであれば、手で草を引き抜いて根っこごと取ることができます。これが草取りの王道ということになります。
王道を実践できれば文句なしですが、それができないところが悲しいところです。もうちょっとして、まとめてやってからでも大丈夫、と、もう一人の怠け者の自分が甘い言葉で語りかけてきます。
それでも、6月~9月の雑草の伸びる時期、種子をつける前にやっておかないと、後で後悔することになるぞ、重い腰をあげなさい、と、もう一人の勤勉な自分が𠮟咤激励します。雑草の大部分は種子植物で、種子によって繁殖するからです。
草取りのやり方は根元から
雨が降った後で地面が濡れていれば、根っこから引き抜くのも楽です。地面が乾いていると、茎でちぎれやすくなります。地面が濡れている、いないでは、根っこからの抜け方が全然違います。
雨が降った後に合わせられるほど、時間に融通がきかなということであれば、 ホースで水を撒いておくというのもいいでしょう。
地面が濡れていれば、手だけで根っこから抜けるものが多い。
草取りの道具を使ってみる
雑草は根っこから引き抜くのが一番とばかりに作業しがちです。小さい雑草なら難しくないでしょうが、大きいものにまで応用して、根っこまるごと抜くがために、土を掘り返してしまいがちです。それもたしかに達成感はあります。
しかし、地中に残った根から芽がでてくる雑草はあまり多くないです。芽を出してくるのは根茎や球根と言われるものを持つ雑草ぐらいです。なので、だいたいは、茎が残らないようにすればいいだけです。
手で抜こうとして、このまま力を入れると茎でちぎれてしまいそうな感覚は草取りをしていればわかります。そうした雑草には道具を使います。
ねじり鎌と、ギザギザのついた金属ヘラ。ねじり鎌一本あれば大体大丈夫。
ねじり鎌を使う
取りたい雑草を手に持って、ねじり鎌を根元にセットする。
根元を切る。そのあと、土を落としておく。
茎が残らなければいいので、こんな深くまでやる必要はないが、深く掘れると気分がいいのでついこうしてしまう(疲れてない最初のうちは)
金属ヘラを使う
手では抜けそうにないが、小さいものなら金属ヘラだけでも十分。
根元から引き抜く。
土を落とす。これもここまで深くする必要はないが、深く掘れると気分がいい。
取った雑草は放置しないで片づける
刈り取った雑草は、堆肥とかにしないならば、集めてゴミ出します。種子が残っていればまたはえてきてしまいます。
相手を知れば、雑草取りも苦痛にならないかも
雑草をなくすのであれば、草取りがよいですが、ある程度の面積があるところでは労力がかかります。しかも、土がむき出しになるので地面が熱くなりやすいですし、見栄えもそういいものではないかもしれません。
なので、広さと、時間と労力の兼ね合いで、どこまでするのか、そこの場所をどのようにしたいのか、イメージを持つことが大事です。何が何でも草取りではなくて、草刈り機も取り入れながら、管理するという方法も現実的です。
さて、草取りに慣れてくれば、みんな同じに見えた雑草も、色々な顔があることに気づきます。それぞれに名前も付いています。そしてそれぞれに特徴があります。一年草、多年草、繁殖力、繁殖の方法、、、、こうした特徴を知ることができれば、対処方法もまた違ってくるのではないでしょうか。
さらに、これを逆手にとって、うまく取り入れながら管理することも可能になるかもしれません。見栄えのいい雑草を増やしていって、他の雑草をなくすという方法だってあみだせるかも。田舎暮らしならではです。
こうしたことについては、また、別の機会にお話ししましょう。