「柿が赤くなれば、医者が青くなる」と言われます。それほど柿の栄養価は高く評価されています。柿の葉にもビタミンCが豊富に含まています。
柿の葉のビタミンCは熱に強い
『美味しんぼ』で、大切な商談相手をおもてなしするための食事の最初に柿の葉茶が使われた場面がありました。柿の葉茶でつかみはOK。その後もうまく商談相手を喜ばせて目的を達成していました。
こんな効能もあるでしょうが、柿の葉茶のもっと身近な効能とすればビタミンCが豊富なところでしょうか。
ビタミンCは体内に侵入したウイルスや細菌と戦う白血球やリンパ球に多く含まれていることから、ビタミンCを摂取することで免疫機能が強化され、病気への抵抗力が高まると言われています。
ただ、ビタミンCはストレスにさらされることで急速に消費されます。それだけでなく、煙草を吸っても、風邪をひいても消費です。日ごろからストレスへの抵抗力を高めるためにもビタミンCを取り入れたいところです。
ビタミンCは体内で合成できない栄養素のため、食事で摂取しなければなりません。水に溶けやすく熱に弱いという性質があることを気にしてしまうと厄介です。水にさらさないで、生のまま・・・。
もっとも、ジャガイモやサツマイモはビタミンCがでんぷんで保護されているため、調理後もほとんど分解されずに残るようです。そして、柿の葉はプロビタミンCと言われるもので熱に強い性質です。プロビタミンCはビタミンCになる前の状態で、体内に入ってから化学的な変化によりビタミンCとなる物質です。
柿の葉のビタミンCは熱に強いだけでなく、ホウレンソウの10倍、レモンの20倍、緑茶の23倍、と量がすごい!
ビタミンCは体外への排出スピードが早いので、日々の食事からこまめに取り入れるとともに、風邪をひいたときなどは柿の葉茶をガブ飲みといきたいところです。
柿の葉茶の作り方
6月8日、同級生のひゃくさん家に柿の葉を採りに行ってきました。若葉を摘んで柿の葉茶を作るにはちょうどいい時期です。
柿の葉は硬いのと、そのまま乾燥させるとビタミンCが分解してなくなってしまうので、「蒸す」という作業が加わりますが、健康茶づくりの基本は、「採種」→「洗浄」→「乾燥」です。
作り方は、『医薬にたよらない健康法』(渡辺正・著、農文協)なども参考にしてみました。
花ができ始めたこの時期。午前11時ぐらいに採種。
山の中なので排気ガスなど人工的な汚れはないが、自然の汚れもあるのでよく洗浄。
キッチンペーパーで水分をよく落としておく。
二日ほど陰干しする。左が渋柿、右が甘柿。量がそれほど多くないので、干し網を利用。干しすぎるとビタミンCがなくなってしまうので注意する。
葉の中心にある葉脈(主脈)は硬いので取り除く。
キッチンバサミを使って3ミリほどに刻む。
1分半蒸す→30秒うちわであおぐ→1分半蒸す。本当はせいろのほうがいい。
本当なら、木製のせいろにして金属製を避けたほうがいいのは、ビタミンCの酸化を防ぐためです。同じように干すときも金属製は避けたほういい。途中30秒うちわであおぐのも、葉にたまった水滴を蒸発させてビタミンCが水滴に溶けて落下するのを防ぐためです。
蒸しあがったものは、干し網を使って陰干しにして乾燥させる。
乾燥したらできあがり。
急須で柿の葉大さじ1杯ほど入れて、熱湯を注いて2,3分で飲み頃です。3煎ぐらいまで飲んでいます。刺激の強いものに慣らされていると物足りなさがあるかもしれませんが、そのぶん体がさわやかになる気もします。屋内に干してあるときから、いい香りが漂っていたのも良かったです。