芋がらをつくる

公開日:2022年11月20日 更新日:

若い時はそうでもなかったが、歳をとって好きになるものもあります。私にとっての芋がらもその一つです。ナメコと豆腐と一緒に味噌汁にして、アツアツでトロトロのものをフーフーしてすするのが何とも言えません。

芋がらをつくる:芋がらに向く赤ズイキ。これは唐の芋という種類。
芋がらに向く赤ズイキ。これは唐の芋という種類。

里芋の栽培

芋がらは里芋からつくりますが、芋がらにできるのは、八ツ頭や唐の芋など赤色がかった葉柄(赤ズイキ)を持っているものや、葉柄(ズイキ)部分をもっぱら食す蓮芋のようなものです。他の種類のものは、アクやえぐみが強く向きません。

これを間違えるととんでもない目にあいます。生の青ずいきを味噌汁にして食べてみると・・ いまどきスーパーで売っている野菜はエグミがあまりないので、エグミがどういうものかわからない人も多いとすると、青ズイキを少し舐めてもらえば、どういうものすぐにかわかってもらえるでしょう!!

里芋を栽培する前は、芋がらとズイキがよく結び付きませんでしたが、自分でつくってみたらすぐに納得です。

里芋は、大きな葉の下は茎ではなく葉柄(ズイキ)ということになります。芋の部分が茎で、これが地上に出ないように土寄せということをして栽培します。

ほか、栽培で注意するのは、直接畑に種芋を植えないで芽出しをする(苗をつくるようなもの)、乾燥させないこと(今年は雨が多かったのでそれほど気にしませんでしたが)、セスジスズメという蛾の幼虫をよく見回ってとりさること、アブラムシが増殖しないように定期的な見回り、といった感じです。

こうして里芋の収穫にたどり着くわけですが、その収穫前に、芋がらづくりです。

ズイキを採るのも芋の収穫の時といいたいところですが、葉やズイキが枯れた後でも芋の部分は大きくなりますので、里芋の収穫はズイキが枯れた後にしたいところです。しかし、そうするとズイキは使い物にならないのでダメだし、元気なのはもったいないので、倒れかけているようなものを採取です。気が付いたときには倒れて枯れだしているものもあるので、全部をとってしまうようなことにはなりません。

芋がらのつくり方

芋がらつくりは、簡単です。外皮を剥いて、乾燥させる、これだけです。

  • 外皮を剥く。採ったばかりのものは外皮が剝きにくい。雨が当たらないようなところにおいて1週間ほど放置しておく。そうすると、外皮が断然はがれやすくなる。
  • 乾燥させる。うっかりするとすぐにカビがはえるので、日中は天日干しにして朝夕は室内に入れたい。2本一組にして吊るして干すのもいいが、乾燥しやすいのは外皮を剥いた後、細かく切断してしまう方法。
芋がらづくりは、ずいきを1週間ほど放置しておくに限る。

採ってきたばかりのズイキの外皮は非情に剝きにくい。ピーラーで剥いてもいいが面倒くさい。1週間ほど放置しておくに限る。

ズイキを1週間ほど放置したものは、外皮が剥きやすい。葉がついていたほうから外皮をつまんでひけばスーッとはがれる。

1週間ほど放置したものは、外皮が剥きやすい。葉がついていたほうから外皮をつまんでひけば写真の通り。それでも、外皮が残っているところがあれば、その筋をつまんで引っ張れば剥ける。ピーラーを使う出番もなし。薄手の手袋着用です。

一本のズイキを2本1組にして吊るして干すと、見栄えはいいが、カビが生えやすい。

一本のズイキを2本1組にして吊るして干すと、見栄えはいいが、カビが生えやすい。朝夕屋内に取り込むなどするほうが無難。

ズイキが乾燥して芋がらなると、こんなふうに小さく軽くなる。

あんなに大きかったズイキが、乾燥すると、こんなふうに小さく軽くなる。

ずいきの外皮を剥いたのち、すぐに包丁で10cmぐらいに細かくして干すと乾燥がはやい。

外皮を剥いたのち、すぐに包丁で10cmぐらいに細かくして干すと乾燥がはやい。

細かくした芋がらのほうが料理する時も楽。

細かくしたもののほうが料理する時も楽なので、このほうが人にやった時に受けがいい感じ。

料理するときにはアク抜きも忘れずに! 状況によりますが、うちでは1時間ほど水に浸けた後、水から一緒に入れて3分位下ゆでしています。

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執筆者:有賀知道

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