高齢化率日本一の南牧村に2年前に移り住んできた、Yaheiさんが、事業を創っていく様子をレポートします。私は、アドバイザーとして関わります。
彼を知り己を知れば百戦殆うからず
ここでこれから何をしていけばいいかな~
複数の仕事を掛け持ちしながらも、これから何をメインにするかYaheiさんは考えていました。週3日のラジオのパーソナリティや、 道の駅の手伝い、選挙があればウグイス嬢などこなしていました。
まだ何をするのか決めていませんし、どうせ自由にできるのであれば、自分が嫌いなものをわざわざやる必要もありません。孫子の「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」です。まずYaheiさんは、自分の今持っている資産(能力)を整理しました。あとやってみたいこともあわせて。昨年の暮れのことです。
経験豊富で収入があるもの、あったもの
- ロミロミのマッサージ
- アロマテラピー
- 笑いヨガのインストラクター
経験豊富ではないが、最近になって収入を得てきたもの
- ラジオのパーソナリティ
- 選挙でのウグイス嬢
- 道の駅の手伝い
やってみたいと思うこと
- 観光協会をつくる
細かい仕事を複数持っていくというやり方もあると思いますが、これはその人自身の好みの問題でしょう。Yaheiさんは、メインにすることを何にするか、あ~でもない、こ~でもない、と頭をひねります。
ここで、ロミロミのマッサージと言っても、新規のお客さんをどう集めればいいのかな。よほど、ここにしかない特徴を打ち出さないと、難しいかな。
ラジオのパーソナリティやウグイス嬢の経験を活かして、司会業なんかに進んでいくのも一つの方法かな。でも、台本通りならいいけど、その状況に合わせてアドリブするの得意じゃないからな。
笑いヨガは、ここに来て高齢者施設や市町村から呼ばれてやるようになったけど、これまではボランティアクラブでの活動が主だったからね。
道の駅でのお手伝いで物産品の出入りがわかるようになってきたので、需要があるにも関わらず供給が少ないものを作るという事業はいいかもしれないな。
私も近くで見ていて、どうしたものか、と思っていました。どうせやるなら、やっていて苦痛でないもののほうが長続きするのでは? とYaheiさんに聞くと。
笑いヨガに決まってるじゃん!
たしかに、先ほど挙げたリストの中で、お金になるかならないかは別にして、やっていて一番楽しそうなのは、笑いヨガです。南牧村の「健康祭り」というイベントで呼ばれて、数十人を前にして、笑いヨガを壇上で実演していたときは、(かなりひいき目に言いますが)輝いていました。施設などに呼ばれてインストラクターをすること以外にも、頼まれもしないのに、ボランティアクラブを主催しているくらいです。
とりあえずは、これを事業化できないか考えてみることになりました。
周りの状況をみてみると
Yaheiさんは、高齢化率日本一の南牧村に住んでいます。約2年前に移り住んできました。南牧村に来て数カ月後、「笑う門には健康来る」をテーマにした健康祭で笑いヨガを実演しました。健康祭がきっかけで、それ以降、地区の民生委員さんがまとめ役になってやる「いきいきサロン」にも呼ばれて、各地区で「笑いヨガ」をすることもあります。高齢者施設に呼ばれて行くことも多くなっていました。
南牧のみならず、ますます高齢化社会になっていくわけですので、高齢者を対象にしたサービスなら事業として成り立つかもしれません。
笑いヨガで、すでに収入にもなっているわけですが、これで事業にするには、少し弱い感じはします。収入面もそうですが、サービスを受ける高齢者側から見たときに、笑いヨガだけでは、飽きてしまいます。
そこで、高齢者が喜んでくれそうなサービスを多数そろえて提供できるような仕組みにできれば良さそうだということになります。
私には笑いヨガ仲間も別の資格で活躍していたり、今まで一緒に勉強してきた仲間は各資格のプロとして活躍したりしています。そうした人達の力を借りれば、高齢者が望むような、幅広いサービスができそうです。
インストラクターのコーディネートももちろん担いますし、例えば1年なら1年のスパンで、バリエーションにとんだプログラム提案、パッケージ提案までできるようになれば、なおさら良くなるのではないでしょうか。
ターゲットはだれにするか
Yaheiさんはこれまでの現場からの声も踏まえて、ざっくりと次の3つをとりあえずターゲットに据えました。
- 行政の福祉担当者
- 施設のレクレーション担当者
- 高齢者に直接。10人ぐらいの高齢者が集まれば。
行政の担当者からしても、その都度インストラクターと個人契約するよりも、コーディネートする組織があったほうが、リスクもなくなりますし、パッケージ提案されたほうが質が高いものを高齢者に提供できる感じもします。
高齢者施設のレクレーション担当者と話していると、「レクレーションが大変」、「外部の人が来ることによっていつもと違った雰囲気になってよい」という声を聞きました。介護職の転職の理由にレクレーションが大変で退職する方もいる程、毎回違う内容で行うレクレーションは担当者の負担を大きくしているそうです。
直接施設に出向いてサービスを提供することもいいでしょうし、施設のレクレーション担当者の人に集まってもらって、レクレーション対応の向上を目指す講習会などを開いてもいいかもしれません。
10人ぐらいの高齢者が集まるところがあれば、サービス提供できますし、プログラムを告知して高齢者に集まってもらってもいいかもしれません。
情報収集する
おおまかな構想ができてきたので、次は情報収集です。現状がどうなっているかのリサーチ。似たようなサービスがないかリサーチ。本、サイトなどでも調べること開始です。
やろうとしている分野は、何なのか? 名前はどうするか?
そうでした、私は、アドバイザーであるとともに、Yaheiさんの夫でもあります。