冬の剪定

公開日:2024年2月20日 更新日:

やらかしました。12月にイチジクを剪定してしまいました。このあたりは寒冷地なので厳冬期が過ぎたくらいにやればよかったのですが、冬の休眠中に剪定、とうろ覚えしていたのでやってしまいました。大体理解したところでまず実行、振り返ってさらに理解を深める、このやり方、早く展開していけていいですが、ヘタをうつのはつきものですね。剪定作業も2年目、3年目のものになってきましたが、コツをつかむにはまだまだかかりそうです。

冬期の果樹剪定
冬の剪定

毎年やることは予定表に書き込んでおこう

イチジクを剪定してしまった後、毎年やることはだいたい日付を入れて予定表を作っておいたほうがいいと気づきました。とりあえず、前年やった時期なんかをもちろん参照にしますが、あと、24節気をふまえつつ予定表を作ってみることにしました。

節気を覚えといたほうがいいというアドバイスを大先輩にいただきましたが、これまで長い間そんな生活とは無縁だったので知らない名前も多いです。たしかに節気の名前は味わい深いものがあります。

雨水(うすい)。立春が過ぎ本格的な春を迎える予備期間ともいえる頃で、降る雪は雨に変わり、積もった雪や張った氷は解け、水になっていく時季。2024年は2月19日から3月4日。

2月19日に「剪定」と暫定的に書き込んでおきます。この辺りは寒冷地ですが、ものすごく暖かければ前倒し、厳寒期が続くようなら後にするように融通をきかせます(このあたりは今後、〇〇が咲いたら、とか、〇〇が鳴き始めたらなど、動植物の動きを参考にしていきたいところです)。今年は暖かいので少しだけ前倒しです。12月に剪定してしまったイチジクも事なきを得たので良かったです。

ともあれ、この時期に剪定するのは落葉樹です。うちでは果樹類と、嫁さんが世話する花木です。剪定作業も2年目、3年目のものになってきましたが、コツをつかむにはまだまだかかりそうです。それでも、最近ようやく、言われてみれば簡単なのですが、1年枝、2年枝、3年枝とかわかるようになってきました。似たようなことですが、ここを剪定すると、どう枝が展開するのかもなんとなく想像できるようになってきました。

アンズの木:冬期の果樹剪定

昨年剪定したアンズの木。ボウボウになっていたものを間引きして少しスッキリさせた。

『剪定「コツ」の科学』で練習台にしたアンズの木です。今年はさらに間引きして風通しがよくなりそうです。

アンズの木、高くなりすぎないように:冬期の果樹剪定

上方向へ大きくならないように、横に広げるような感じで間引きする。だいぶスッキリしてきました。

花芽の付き方をおさえておく

果樹類を剪定するにあたって、何はさておき花芽の付き方を知っておく必要があります。花芽のあるところは実ができるところなので、そこを切り落としてしまったら実がつかなくなってしまいます。仕入れた情報をメモしておきます。

  • イチジク 新枝咲き、ただし、上部の残っている花芽は来年の夏季。
  • ブルーベリー 春に伸びる新梢の先端に夏に花芽がつく。翌年の夏に実。実のところは枯れこむ。1花芽に6~10の小花。10花芽があれば60~100の実ができる計算。
  • ナツハゼ 成長が遅い。おそらくブルーベリーと同じか。
  • マルベリー 新枝の上部半分に花芽。翌年開花。通常、新枝の芽は発芽しないが、摘心すれば2番枝が出てくる。翌年、新枝の上部の芽は発芽するが、下部のほうは潜伏芽になって発芽しない。
  • アンズ 梅と同じく、新梢に花芽、翌年に開花、実。

イメージしながら思い切って剪定する

昨年伸びた枝についた花芽に今年実が付くのが多いので、冬の剪定でその花芽の部分を切ってしまったら実が付かないので気を付けるといったところです。1年枝、2年枝とかわかっていれば怖さはなしです。

ただ、たとえばブルーベリーの株は2年目で株を充実させたいので、そのために、実をつけてエネルギーを使ってしまわないように冬の剪定で花芽をとってしまうようなことをします。昨年伸びた枝の先端部分を取り除いておきます。

それぞれの剪定ポイントについてもメモしておきましょう。

イチジク

  • 昨年4月定植、2年目。ドーフィンは12月20日に剪定したが早すぎた。厳冬期が過ぎた2月のほうが無難。
  • 切断ポイントは、芽から少し上の位置。芽の真上を切ると枯れこむ。
  • 前回の剪定は主枝を切り戻した。そのポイントを確認。主枝延長枝と亜主枝が何本か出てくる。
  • ドーフィンの品種は秋向き(秋果)なので、新枝は切り返していい。主枝延長枝四分の一~三分の一と、亜主枝20cm。切り戻さないと先端の花芽の実が夏につく。
  • 亜主枝ほか間引きは、上向き、下向き、強勢、あとは、あまりにも弱い枝。
  • 主枝が2本しかないので、おいおい3本にするようにする。
  • ロンドボーテックスの品種も秋果なのでドーフィンと同じ様に剪定していい。
  • 今後、挿し穂にしていく。

ブルーベリー

  • 昨年4月に定植。
  • 2,3年は花芽をつけとく必要はないので強く剪定して育てる。
  • 弱い枝も間引く。

ナツハゼ。昨年4月に定植。おそらくブルーベリーと同じ感じで良いだろう。

  • 株充実のため、花が咲いて果実を付けないように花芽は取り除いておく。

桑(当面は葉を採るための剪定を主にしていくが、のちのちはマルベリーを収穫できるような剪定もしていく)

  • 冬期剪定は、変な剪定をしてあるところを切って整える。株元伐採をする。
  • 株定めをしっかり確認。3本。芽の上で切断する。分かりにくければ、冬期剪定で株定めを再度してもいい。3年枝を切り詰めても問題ない。
  • 上部エリアは、(20cmと低い位置から3本だした)高根刈り3拳式仕立法。株定めの3本は20cmぐらいの長さ。地面からの高さは50cmほど。
  • 下部エリアは、(地上60cmの長い1本に3枝つける)中刈り拳式。3本は長さ40cmほど、地面からの高さは60~100cmほど。

アンズ 今年も実というよりも、まだ大枝の整理。

  • 主に大枝の間引き剪定。高い所・上部の一群。込み入っている所。あと、不要枝。大体剪定する枝を決めておいて、下部の剪定から始める。上から先にやると、途中で枝が宙ぶらりんになる恐れがある。同じように、上部の大枝は1回で切り落とすよりも何回かに分けてやったほうが引っかかりにくい。これでかなりスッキリするはず。ブランチカラーを残す。
イチジク、枝の先端部には、今年夏に実のなる花芽:冬期の果樹剪定

イチジク。枝の先端部には、今年夏に実のなる花芽がある。

イチジク、花芽のある枝、三分の一ぐらい切り戻しておく:冬期の果樹剪定

花芽のある枝、三分の一ぐらい切り戻しておく。

ブルーベリー:冬期の果樹剪定

ブルーベリー。細かい枝などバッサバッサと剪定です。

ほんのちょっと慣れてきたので、この枝を残しておくとどう枝が展開するのか少しだけ予想が付くようになってきました。細い枝を残してもそれから展開するし、ゴチャゴチャするのでだいたい間引きしてしまいます。どれを延長枝にするのかもイメージして剪定するような余裕もでてきました。

イチジクやブルーベリーは、あと何年かで、剪定したものを挿し木に使うようにしよう。ちなみに、果樹や花木、野菜の中には品種登録されているものがあるので、それらは増殖してはならないことになっています。これについては今後、挿し木をしたり、自家採種をしたときに、種苗法とともに書くときも出てくるかと思います。

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執筆者:有賀知道

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