防護柵+防獣ネットを設置して1週間ほど経過しました。いまだ鹿とイノシシには破られず、鉄壁の守りを誇っていますが、ここは先手をうって念には念を入れて、忍び返しをつけてみます。
忍び返しは、鹿やイノシシに恐怖感を与える
忍び返しとは、広辞苑を見ると「塀などの上にとがった竹・木・鉄などをつらね立てた設備。盗賊などの忍び忍び入るのを防ぐためのもの」とあります。鹿やイノシシを盗賊に見立てるのは人間様の都合ではありますが、効果があるのかは興味があるところです。
各県の害獣防止対策のマニュアルなどの中の防護柵の説明にも忍び返しが有効とあります。通常の防護柵に、忍び返しを取り付けることによって、鹿やイノシシに恐怖感を与え設置効果が高まるということです。
具体的には、柵の上部30cmを外側に20~30度折り返します。
これから、柵の上部30cmを外側に20~30度折り返すような形に変える作業をする。
新たに用意したもの
自在Tキャップ | 25mm×25mm。6個。1000円ほど。パイプの先端ともう1本のパイプを自由な角度で固定する。 |
メッキパイプ | 支柱パイプと同じもの。 直径25.4mm×長さ2m 。500円ほど。 |
パイプ切断機 | パイプカッターやグラインダーなど。ホームセンターで切断してもらえれば楽。 |
DIY自作での作業工程
自在Tキャップは、パイプの先端ともう1本のパイプを自由な角度で固定するためのもです。今回用意したのは、25mm×25mmのものですが、25.4mmのパイプも通せます。
忍び返しの部分は30cmにするので、パイプも30cmに切断します。今回パイプ切断は、手持ちのグラインダーを使って切断しました。切断道具がなければ、切断してくれるホームセンターでパイプを購入する必要があるでしょう。
切断してくれないホームセンターもありますし、以前は切断してくれたが、今は切断サービスをしてないということもあります。切断道具が変わってしまったホームセンターもあります。
以前、簡易クローゼットをつくっていたときに、ステンレスパイプを切断する必要がありました。最初のものを作ったときは、パイプカッターを貸してもらって(無料)切断面もきれいに切断できました。1年も経たないうちに次に切断した時はグラインダーの貸し出しになっていました(無料)。グラインダーで切断すると、パイプカッターのようなきれいな切断面にはなりません(見せるような部分ではなかったので問題はなかったですが)。
ともあれ、パイプを30cmに切断できれば、あとは、取り付けるだけです。
自在Tキャップは25mm×25mmだが、25.4mmのパイプも通せる。
支柱パイプついているS字フックを取り外し、針金とハッカーでパイプの先につける。
支柱パイプの先端に、自在Tキャップをはめ込む。
防獣ネットをS字フックにひっかける。忍び返し部ができあがる。
防獣ネットがあまりそよがないように、適宜、針金とハッカーで結束しておく。
防獣ネットとワイヤーメッシュが離れないように、針金とハッカーで結束しておく。
支柱パイプはいじってないので、忍び返しを取り付けたことで、防獣ネットは上方へ30cmほど上がったことになります。防獣ネットとワイヤーメッシュが離れて隙間ができそうなところはなかったので、これで作業は完了です。
畑を借りるなら害獣対策が容易なところがいい
都会に住む人は、そんな忍び返しまでする必要があるの? と思われるかもしれませんが、獣害はほんとすさまじいです。害獣は神出鬼没です。周りには、防衛をあきらめ野菜づくりをやめてしまった人もいます。
今回、防護柵+防獣ネットを設置したところは、一辺だけを防衛できれば何とかなりそうな場所でした。防衛ラインも、家庭菜園なのでそれほど大規模でもありません。10mほどです。そこを鉄壁にするのはそれほど難しいことではないでしょう。
もし、山間部で畑を借りたりして作物を作ることがあれば、害獣対策が容易なところかどうかを念頭に置かなければなりません。
– 追記 – 忍び返し部分がイカれる
《2020年4月13日記》
忍び返し部分のネジが緩んで、ダラ~となってしまいました。たしかに、風の圧力をこのネジだけで支えるのは無理がありそうです。
ネジを強く締めなおそうとしたが、バカネジになる。
支えをつけることにした。
– 追記 – ネットを破られる、おそらくシカ
《2020年5月15日記》
今日、サツマイモの苗を植えるために畑に行きました。すぐに、忍び返し部分がダラ~となっていることに気づきました。また、この前と同じようになったのかと思って近づいてよく見ると、ネットが破れているではありませんか!
折り返し部の曲がり方とか見ると、どうもシカが角をひっかけて、外そうとして暴れたようです。一週間前にカボチャの種まきに来たときは異常はなかったので、この一週間の間にやられました。
ネットが変に波打ってると思ったら、破られていた。
穴は応急処置でふさいでおいた。
支柱とワイヤーメッシュは頑丈にしてあったので、ネットが破られただけですみました。構造が弱ければ、柵ごと倒されて侵入されたかもしれません。
追記:防獣柵のつくり方・完結編(ワイヤーメッシュ+防獣ネット版)
《2023年3月12日記》
これまで畑を広げるのにだいたい1年に1回のペースで5回、防獣柵を作ってきました。これまでのことを踏まえて仕様もだいたい決まってきたのでまとめてみました。防獣柵のつくり方・完結編(ワイヤーメッシュ+防獣ネット版)
一番最初のつくり方で使えるものと使えないもの、必要ないものがありました。今では、折り返し部分はつけていません。2m以上の柵なので折り返しをつけなくても一度もシカに侵入をされたことはありません。
しかし、上の2020年5月15日の追記のようにシカのアタックはあります。アタックというよりもシカの角が防獣ネットにからむという事態です。これはうちだけでなく他でも見聞きしている事態です。最初の対策は、防獣ネットは目が粗いので、目の細かい防風ネットにするということで角が引っかかりにくくするという対策でした。でも目が細かい分、風の圧力も半端なく強くなります。支柱もぐらつくほどです。なのでいまは、防獣ネットにハウスバンドをはわせるというやりかたにしています。
防獣柵のつくり方・完結編 は、費用をなるべく抑えつつある程度堅固な防獣柵を作りたい人には参考になるところがあるはずです。興味のある方はご覧ください。