雑草をなくしたいのであれば、草取りがいいのは承知しています。春に一度やったきり、早く手を付けなければと思っているうちに、あれよあれよという間に、雑草だらけになってしまいました。これは草取りのレベルではありません。草刈り機の力を借りるほかありません。こんな状態だと、田舎暮らしではご近所さんにもいい顔をされません。
ナイロンコード草刈り機のメリット・デメリット
草刈り機も、エンジン式、充電式、電動コード式などあります。それぞれにメリットデメリットがあります。田舎暮らしする人の多くが持っているのはエンジン式でしょう。私も使っています。エンジン式の草刈り機は電気式に比べてパワフルです。今回は、下記のような理由で金属刃ではなく、ナイロンコードを利用しました。
なにより安全で怖さが少ない
パワフルなエンジン式で金属刃を使えば、茎の硬い雑草も楽々です。しかし、慎重に扱えないと危険です。死傷事故も多く、国民生活センターも注意を促しています。
- 作業中に周囲の人が、キックバックや飛散物などで受傷することがあります。
- 刈払機には、刈刃によるキックバックや飛散物など機械特有の危険があります。これらを理解し、正しく使用しましょう。
- 刈る草が柔らかい場合や作業場所が構造物周辺の場合は、キックバックが生じないナイロンカッターの使用を検討しましょう。
キックバックとは、金属刃が木や硬いものに接触した際に、金属刃が跳ね返ることで、作業者が抑える事ができないぐらいに大きく弾かれてしまう現象です。
ナイロンコードを使用すればキックバックが起きません。ナイロンコードが高速回転するだけなので、金属刃が回っているような恐ろしさも感じません。
パイプの先の髭のようなものが回転して草を刈っていく。髭がナイロンコード。エンジン式は、スターターの紐を引っ張って起動します。手入れをしていないとかかりにくいことがある。
障害物があるところだと威力を発揮
ナイロンコードは、障害物があるところは、本当に便利です。金属刃だと、硬いものに当てないように注意しないといけません。キックバックはもちろんのこと、硬いものに当たれば、刃が欠けたり、ひび割れたりします。そして何より、設備に傷つけてしまったりもします。
障害物があるところこそ、ナイロンコードに向いています。
切れ味は金属刃には及ばない
下記写真を見てもわかるように、金属刃が高速回転すれば、どんな硬そうな草でも刈ってくれそうな感じがします。たしかに、ナイロンコードはそれには及びません。硬い茎に当たると、ナイロンコードが切れてしまいます。切れないとしても低速になったりして、クラッチが損傷しやすくなり機械のためにはよくありません(後で少し説明します)。
金属刃とナイロンコード。刈払い機の先端部分に取り付ける。
ナイロンコードで草刈り機を使ってみる。
服装も大事です
ナイロンコードは金属刃に比べて危なくないと言っても、コードは高速回転しています。思いのほか、草や小石などが飛んできます。そして、服もけっこう汚れます。
長靴、長袖、長ズボン、手袋(滑らないもの)、保護眼鏡など身につけるようにします。炎天下なら、熱中症も気をつけたいので、帽子も忘れずに。
硬いものはまず、剪定ばさみで切っておく
ナイロンコードは、金属刃ほど切れ味が鋭くありません。硬いものは切れません。剪定ばさみで硬いものは切っておくようにします。エンジンをかける前にやっておいたほうが、作業を中断しなくていいです。
なるべく根元近くから切るようにします。
コードは長くしすぎない、15cm以内にする
「ナイロンカッターは金属刃よりも抵抗が大きいため、取扱い操作を誤るとクラッチ部が発熱し変形損傷することがあります。」と説明書にあります。
金属刃よりも抵抗が大きいというのは、ナイロンコード自体の空気抵抗と草を叩いた時の抵抗が大きいということです。なので、コードは長くしない。硬い草はあらかじめ取り除いておくようにします。
ちなみに、抵抗が大きくなると、エンジンの回転数が落ち込み、そうなるとクラッチの接続が弱くなりクラッチが滑ります。滑ったことでやがてクラッチやその周辺が高温になり変形損傷することがあるということです。
コードが長いほうが、量が多く刈れると思って長くしてはいけない。15cm以内。
エンジン回転を高速に保つ
いざ、草刈り開始です。一気にかたをつけたい気持ちはわかりますが、なるべくコードの先端部で浅く刈るようにします。コードの長さ分で刈ろうとすると抵抗が大きくなり、回転が落ちて切りにくくなってしまいます。高速回転を保てるようにするのがコツです。
切れにくくなるだけでなく、エンジン回転数が落ち込むと、クラッチによくないというは先に書いた通りです。私は、ほぼ最大の出力で高速回転させています(爆音です。耳栓をしたほうがいいかも)。
草刈り機を左から右に振りながら刈ると、刈りくずが身体から遠ざかる方向に飛ぶので服の汚れが少なくなるようです。
地面に近づけすぎない
ナイロンコードが小石にぶつかるとすごい勢いで飛びます。最大の出力で回転させているのでそうなります。近くに人がいたら危ないですし、近くに車でもあったら傷つけてしまいます。人を近くに寄せ付けないようにしておくのはもちろんですが、前もって小石をとっておくとか、ナイロンコードを地面に近づけすぎないようにしたいところです。状況をみて、どれくらいまで慎重にやるか決めます。
小石が多くあるようなところは地面に近づけすぎないように慎重に。
障害物があるところに強いのが一番の良さ
ここがナイロンコードの一番の出どころ、活躍できる場です。
設備があっても大丈夫です。でも直接あたると、低速回転になったりするので、なるべくなら当たらないように。
金網でも大丈夫です。でも、直接あたるとナイロンコードが切れたりするので、なるべくなら当たらないように。
これで、ガスの検針をする人にも顔向けができる。
再始動の時はチョークレバーの位置に注意
エンジン式は、スターターの紐を引っ張って起動します。手入れをしていないとかかりにくいことがありますが、チョークレバーを、「始動」(閉めると表記されているものもある)の位置にすることはやっていると思います。チョークとは、燃料の吸い込みを良くして、冷えたエンジンを始動しやすくするための機能です。
ナイロンコードが切れたりして、エンジンを一度止めることもあります。
再始動するときはチョークレバーの位置に気を付けたいところです。停止後、15分以内ぐらいで、エンジンが温まっているときには、チョークレバーは、「運転」(開けるという表記されているものもある)の位置のままスターターの紐を引くようにしないといけません。 チョークレバーを最初と同じように「始動」の位置にして、スターターの紐を引くと、燃料の吸い込み過ぎになってしまうからです。吸い込みすぎるとプラグが燃料で濡れて、火花が飛ばなくなり始動しにくくなります。
赤いツマミがチョークレバー。目立つ色になっているのも、大事な役割を担っているからだろう。
メンテンナスをしてエンジントラブルを防ぐ
同じように、再始動ではない、通常の始動の時も、チョークを「始動」の位置にして、エンジンがかからないからと言って、スターターの紐を何回も引きすぎると燃料の吸い込み過ぎで、かえってエンジンがかかりにくくなることもあります。この場合はプラグを取り外してワイヤブラシなどで、電極を掃除することなどします。エンジンが完全にかからなくても、ブルルルルルル~ぐらいになれば「運転」の位置にしてもよいようです。
しばらく使ってない草刈り機を使い始めるときに、エンジンがかからないというトラブルが起きがちです。一番気を付けたいのは、長期間使わなくなる前の手入れです。取説書を確認しておきたいところです。きちんと手入れさえしておけば、出張修理代6000円や7000円は防ぐことができます。
田舎暮らしでは、毎年の管理のことも考えておきたい
今回は、4月初めに草取りをして以来8月まで何もせず放置しすぎましたが、できれば、6月~9月までぐらいの雑草が伸びる時期は、種子をつけさせないように 月に1,2回は草刈りをしたいところです(反省)。
雑草の大部分は種子植物で、種子によって繁殖するからです。土の中で休眠している種子があったり、鳥などが種子を運んできたりするので、雑草の根絶は難しいですが、草刈りをきちんとして、新たに種子をつけさせなければ、管理は徐々に楽になっていく(はず)。
雑草をなくすのであれば、草取りがよいですが、ある程度の面積があるところでは労力がかかります。状況をみたり、使用目的ができればそれに応じて取り組まれるのがいいでしょう。