なんとなく科学的な合成物のほうが効果があるような気にさせられてしまっています。昔ながらの自然素材にもいいことがたくさんある気がするこの頃です。
自然素材の良さ
購入履歴を調べたら、その商品は2015年に買っていました。大げさに言うと、これまでの、科学の力を駆使した新商品信仰のようなものに、そうとう距離をおいてもいいぐらいの感じを受けました。それほどインパクトがありました。
珪藻土バスマットです。
TV番組か何かで紹介されていたのだと思います。これまで、科学的な合成物や加工を施したもののほうが高度で、効果もあって、洗練されていると思わされていたのではないか、と。もちろん、そうした分野もあるでしょうが、昔ながらの自然素材のすごさを見せつけられました。
珪藻土バスマットを使って以来、「防水・防臭・抗菌加工」などと謳った商品には目をくれなくてもよくなりました。とともに、食べるものにしても、DIYで使うもの、洗剤、服の素材にしても、注意深く見るようになった気もします。
珪藻土はこの商品を使って能力が高いこと知ったのですが、メディアを通して、重曹ほどには取り上げられないにしても、様々な能力があることをよく聞くのが炭です。
木炭の実力
バーベキューで使う炭、焼き鳥や鰻を焼くための備長炭、冷蔵庫に入れる活性炭入りの消臭剤、炭入りのシャンプーや歯磨き粉・・・などはすぐに思い浮かぶところですが、このほか、目立たないところで大掛かりに使われています。
畑などでの土壌改良用として、浄水場などでの水質浄化用、住宅の床下に敷いて調湿用、野菜などの鮮度保持用、タバコのフィルター、また、木材を炭化する際に煙から採取する木酢液は、殺菌や消臭、土壌改良、食品添加物(木酢液を蒸留・精製した燻液)に使われています。
燃焼用ではない、こうした多様な能力は、木炭の吸着性からもたらされているといいます。木炭は多孔質という性質を持ちます。無数の微細な穴を持っていて、これが水分や物質の吸着機能を生み出し、消臭や除湿、水や空気の浄化、有害物質の除去などが行われるということです。また、微細な穴は、微生物の住みかとなり、土壌改良など農作物の生育を助ける働きまでするそうです。
炭の内部表面積は、木炭1グラムあたり250~300平方メートルになるといいます。小指の先ほどの粒でも、小学校のプールの広さ(30×10m)くらいの広さです。これが驚異的な吸着性を生み出すみたいです。
もっとも、炭にも種類があって、炭窯で焼く備長炭(白炭)や茶道炭(黒炭)、工場で焼く粉炭(黒炭)、活性炭などがあり、それぞれに特徴も違ってきまっす。詳しく知りたい方は、炭博士と言われた岸本定吉氏の著作などを読まれると面白いです。
たとえば、『炭人たちへ』の中の、「木炭の湿度調節機能」では以下のように説明されています。
木炭の水分は空気中の湿度に比例して変化します。一般に白炭の水分は10%、黒炭は8%ですが、梅雨期など、湿度が高い時は空気中の湿度をどんどん吸収します。逆に真夏や冬の乾燥期には、吸収した水分を放出して湿度を自動的にコントロールします。
そして、木炭を有効利用したひとつの方法として、床下の除湿・調湿炭を勧めています。現代の住宅は、高気密化が進み、換気に注意しないとカビやシロアリが出やすく、それを化学薬品で処理するよりも、木炭の除湿・調湿機能を利用したほうが安全である、と。
床下の除湿・調湿には、人畜に無害で、経済的で、効果が半永久的に持続する純天然材・炭の利用をもっと普及させる必要があります。
整理棚を木炭で脱臭・湿気取りをしてみる
かなりカビ臭いのは間違いないのですが、整理棚の中に、目視ではカビを確認できません。除菌せずに木炭を置いてもいいでしょうが、念入りにするため、除菌をしてから木炭を設置することにします。
エタノールで除菌
除菌には、エタノールを使います。エタノールでカビを死滅させることができます。エタノールは、重量ベースで70%、容量ベースで80%のときにもっとも除菌する力が強いと言われています。濃度が低くても高くても効果が落ちます。
公益社団法人日本食品衛生協会「カビから守る!!」によれば、エタノール濃度70%で、黒カビ、青カビ、赤カビ、は3秒以下で死滅するとなっています。
花王の研究センターによれば、濃度40~80%で、微生物は5分以内で死滅するとなっています。ちなみに、微生物とは、ウイルスと細菌と、カビやキノコを含む菌類からなります。
ともあれ、長くエタノールと接触させたほうがいいのは間違いないです。でも、エタノールは揮発性が高いので、すぐに蒸発してしまいます。仮に5分接触させようとすれば、エタノール液に付け込んでおくぐらいにしないといけません。
簡単に手軽にするのであれば、市販されているエタノール80%のウェットティッシュ(除菌ティッシュより値段は少し高い)で3回ほど繰り返し拭くのでもいいでしょうし、念入りにするなら、市販されている消毒用エタノール(濃度は80%ぐらいのものが多い)を吹き付けて、ラップで包んで蒸発を防ぐというのもいいでしょう。
目視ではカビが確認できないが、カビ臭い整理棚。扉を開けっ放しにしていられない状況。
棚板が外せるようなら、外したほうが、掃除が楽。
棚板は1時間ほど日光浴&風にさらしておく。日光の紫外線で殺菌。
棚全体に、エタノール80%液をスプレーで吹き付けておく。
わが家には無水エタノールがあったので、それを精製水で薄めて80%の濃度にしてスプレーに詰めました。
15分ほどしてから、エタノール80%のウェットティッシュで念入りに拭く。
棚板にも、エタノール80%液をスプレーで吹き付けておく。
その後、エタノール80%のウェットティッシュで念入りに拭く。
消臭木炭を設置する
友人が木炭の製造販売をしている会社にいるので、木炭を分けてもらいました。工場で焼く粉炭です。
市販されている脱臭剤や除湿剤は、有効期限が短く買い替えていかなければなりません。ときには、除湿剤を入れてあるのを忘れて、水が満杯のまま放置されているのもよくありがちなことです。炭なら、放置していても何にも問題は起きません。2か月に一度ぐらい風陰干しにすれば、なお良しということです。
不織布に粉炭が入ったもの。一袋25グラムほど。
棚板一つに、一つの袋を設置。
除菌+木炭を設置して、2週間ほどたちました。不快なカビ臭さはなくなりました。無臭にはなったわけではないが、何か少し匂うという程度にまでなっています。これまでは、扉を開けっ放しにすることはできませんでしたが、開けっ放していても大丈夫なレベルです。
押入れにも木炭を入れてカビ予防をしておく
カビを増やさない予防法とすれば、湿度を湿度を下げることですが、そのためにもっとも効果が高いのは、窓を開けて換気をすることです。押入れにも空気を通して湿気をこもらせないようにします。流れない水が腐るのと同じように、空気の流れが悪いところでカビは増えます。
押入れ内の空気の流れが滞らないように、物を詰めすぎない、スノコを下に敷く、ずっと同じ場所にものを置かない、と言ったこともすればなお良しです。
押入れには木炭の大袋700gほどのものを入れておく。
おまけ(エタノール液をフローリング床にこぼしてしまった)
除菌の時にエタノールを使いますが、スプレーが壊れてしまい(100均のものなので仕方がないか)、エタノール液がフローリングの床に漏れてしまいました。気が付くのが遅く、ティッシュで拭いたりしたが悲惨な状況に(泣)。
エタノール液が床にこぼれてしまった。白濁の状態に。
エタノールと床のワックスが反応してこうなるみたいです。これも直さないといけません(賃貸なので!)。カビとは関係ないので、また別の機会にまとめます。
横着をして、下に何も敷かずにやったのがまずかった。以後気を付けるようにしよう。
※ 後日、直しました。エタノール液で床が白く変色したのをハンドクリームで直す にまとめています。