ようき農園で加工を手掛ける段階に進んだら、漬け物にも取り組む予定です。ホルモン漬の開発とかキムチなんかを考えています。でもその前に、自分で漬け物をやってみないとですね。
即席つけもの器を初稼働
一年以上放置していたでしょうか、ようやく「即席つけもの器」を使うことができます。
買った当初は作る気満々でした。
まずは、敷居を下げてくれそうな、以前紹介した『奥薗壽子の読むレシピ』の奥園さんに背中を押してもらおうと『ズボラ人間の料理術』(サンマーク出版、2001年)の漬け物の項を参考にしようかと。みなさん漬け物は作るのが難しいと思い込んでいるので漬け物を買うなんていうことをするが、難しくない。「野菜に塩分を加えてしなっとさせたもの」が漬け物なのだから、野菜サラダをつくる手間と大差ない超お手軽野菜料理ですよー。
うーん
即席つけもの器に付いていた説明書にも超簡単なレシピが紹介されています。こんな簡単なので漬け物なのかな?
そうだった、『うおつか流台所リストラ術ーひとりひとつき9000円』 の魚柄仁之助氏にすがろう。氏のいろいろな著作はいまでもたまに読ませてもらっていますが、浅漬け・一夜漬けがメインでどうも私の期待にそってないようです。
そうか、どうも私が期待しているのは、発酵をともなうちゃんとした漬け物を手掛けたいということだったようです。実家で昔やっていた樽に漬けるようなものがイメージにあったのでしょう。
しかしながら、料理本やレシピでは発酵との関係が説明されていずわかりません。超簡単にやる漬け物は発酵とは別のものなんじゃないかと疑っていたわけです。そんなこんなで、即席つけもの器に手つかずで今まで来てしまいました。
でも、前回紹介した『発酵 ―ミクロの巨人たちの神秘』 のおかげで前進です。浅漬け・一夜漬けも立派な発酵食品だと確信しました(ということは、これまでジップロックでやっていたものも立派とは言えないが漬け物だったのだ)。ついでに小泉先生の『漬け物大全』(講談社学術文庫、2017年)も読んで、漬け物の原理も習っときました。
これにてようやく、即席つけもの器を使うことになります。(われながら面倒くさい)
旬の白菜で、白菜漬けやキムチはいかがか
まずは栽培が順調であり余っている白菜の活用です。今の季節、白菜は旬ですし、温度も低いので乳酸菌による乳酸発酵もよく進むので最適です(暖かくなると酢酸菌が優勢になるようです)。
参考にするのも決めました。BSフジの『植野食堂』の#158・白菜漬けby坂井善三商店です。植野食堂、勉強になります、お世話になっています。ちなみに2024年の1/27現在で、312回です。こんなに続く番組になるとは思ってもいませんでした。
作り方は、即席つけもの器で白菜を4日間ほど塩水で下漬けし、そのあと、調味液(水、塩、煮切りみりん、昆布、トウガラシ)で本漬けです。
7%の塩水で下漬け。白菜の細胞液から脱水が起こると同時に、塩分の細胞内への浸透が行われる。とともに、嫌気的環境下で乳酸発酵がすすむ。
次は、本漬けの調味液はキムチにしてみますか。参考にするのは、#220・浅漬けキムチby炭火焼肉矢つぐ、のヤンニョムです。
日頃楽しませてもらっている植野食堂を通り過ぎたら、村の漬け物名人衆に話を聞きに行くことにしましょう。
食品衛生法の改正で漬け物は簡単に販売できなくなる
今後、ようき農園で加工を手掛ける段階に進んだら、漬け物にも取り組む予定です。桑の新芽とホルモン漬 で書いたようにホルモン漬の開発とかキムチなんかを考えています。
まずは道の駅に出していきますが、漬け物をめぐる環境が変わってきます。食品衛生法の改正で、これまで製造は届け出制であったものが、許可制に変わるというものです。改正法の経過措置が終了する6月以降作り手は大幅に減るとみられます。これから準備していくわれわれはいいですが、これまで作っている人は改正法の設備基準を満たさないと販売できない、となると、販売をあきらめる人も多くなりそうです。
漬け物は微生物が関係するので、その場所、建物にいるものや何度も使っている容器についているものも味に関係してくることになるでしょう。設備基準を満たしたはいいが、味が変わってしまったなんていうことも起こるかも知れませんね。